総合文学ウェブ情報誌 文学金魚

私達の故郷は日本語です。金魚屋プレス日本版は、日本語で書かれるあらゆる文学の方向を見極め、私達の精神の行く末を照らす光りを見出そうとするものです。 金魚屋プレス日本版はその光りのすべてを広義の文学と呼びます。

金魚屋プレス日本版代表 齋藤都

文芸5誌
文芸5誌について

文芸5誌について

 日本には純文学系の小説文芸誌が5誌ある。「文學界」「新潮」「群像」「すばる」「文藝」である。純文学自体は世界のどの国でも、その国の言語と精神風土を代表する文学作品のことである。いわば文学の中の文学だ。詩でも小説、評論、 […]
No.101 文學界 2016年06月号

No.101 文學界 2016年06月号

     六月号には中村文則氏の「私の消滅」二百三十枚が一挙掲載されている。新潮新人賞でデビューし、芥川賞等々を受賞した若手のホープである。一九七七年生まれだからまだ四十歳だ。ご自身で自分は純文学作家 […]
No.100 文學界 2016年05月号

No.100 文學界 2016年05月号

     五月号は第121回文學界新人賞発表号で、同人誌優秀作品掲載号と並んで楽しみな号だ。ショービジネスの世界ではオーディションが当たり前だが、それはまだ世に知られていない金の卵のような才能が眠って […]
No.099 群像 2017年02月号

No.099 群像 2017年02月号

     若松英輔の「たましいを旅するひとー河合隼雄」に何やら言葉にできない異和感を覚えた。いや、これから言葉にするわけだし、その評論に対しての異和感というより前々から感じていたことがたまたま顕在化し […]
No.098 文學界 2016年04月号

No.098 文學界 2016年04月号

     時代の変化はまず〝現象〟としてあらわれる。底の方から蠢く変化を感受してはいるが、その正体がはっきりわからぬまま表現されるのである。そのような表現が筍のようにポツポツと芽生え育ってゆくと、自ず […]
No.097 文學界 2016年03月号

No.097 文學界 2016年03月号

     印象が薄いのではっきりした記憶がないが、ちょっと前から文學界の巻頭ページがリニューアルされている。かなり長い間、文學界巻頭には一ページの詩が掲載されていた(もちろんモノクロ)。文學界の読者は […]
No.096 文學界 2016年02月号

No.096 文學界 2016年02月号

     二月号はちょっとした文學界新人賞作家特集になっていた。第一一九回受賞の板垣真任氏が『すら』を、第一〇七回受賞の上村渉氏が『不発弾』、第一二〇回受賞の杉本裕孝氏が『花の守』を掲載しておられる。 […]
No.096 文藝 2016年冬季号

No.096 文藝 2016年冬季号

     いがらしみきおといえば、あの『ぼのぼの』で知られる漫画家だけれど、そのエッセイが印象に残る。と言っても、とりたてて何か特別なことが書かれているわけではない。漠とした不安感、その原因と目される […]
No.095 文學界 2016年01月号

No.095 文學界 2016年01月号

     文學界新年号の巻頭は朝井リョウの『ままならないから私とあなた』三百枚の一挙掲載である。正直なところ〝マジっすか〟と思ってしまった。朝井氏は『桐島、部活やめるってよ』でデビューし、『もういちど […]
No.094 文學界 2015年12月号

No.094 文學界 2015年12月号

     十二月号は比較的若い作家の作品が掲載された充実した号だった。中でも滝口悠生氏の『死んでいない者』と水原涼氏の『日暮れの声』は秀作だと思う。また滝口氏の『死んでいない者』は第一五四回芥川賞を受 […]
No.093 群像 2016年09月号

No.093 群像 2016年09月号

     表紙に「家」という字が並んでいる。もちろん偶然だが。特集に「作家と翻訳家」、作品に群像新人賞受賞後第一作の乗代雄介『本物の読書家』。偶然だけれど、そのことの意味をついつい考えざるを得ない。な […]
No.092 文藝 2016年秋季号

No.092 文藝 2016年秋季号

     久しぶりに手にとった文藝は、やはり変わらずレトロな表紙で、その間の文学状況の変化よりも自身の、というか自身が感知するシャバの変化を体感した。何が起きたというわけではないが、世間はどんどんいわ […]
No.091 文學界 2015年11月号

No.091 文學界 2015年11月号

     基本的に現実世界を描く小説で、男と女と金と家族が大きな主題になるのは当然である。乱暴な言い方をすれば、この三つの主題の描き方(処理方法)に作家の思想が表れる。短歌や俳句には型があり、それを無 […]
No.090 文學界 2015年10月号

No.090 文學界 2015年10月号

     「文學界」十月号では「特集 酒とつまみと小説」が組まれていて、恐縮だがタイトルを見て思わず笑ってしまった。「オール讀物」ならまだしも、「文學界」を読みながら酒を飲む人はいるのだろうか。もちろ […]
No.089 文藝 2016年夏季号

No.089 文藝 2016年夏季号

     「王朝文学は連鎖する」というテーマで、江國香織、川上弘美、中島京子、堀江敏幸、森見登美彦の座談会が掲載されている。古典文学、ではなく王朝文学というところがミソかもしれない。ちなみに文藝の表紙 […]
No.088 文學界 2015年09月号

No.088 文學界 2015年09月号

     偶然なのだろうが、「文學界」九月号には木村紅美(くみ)と佐藤モニカ氏の、二人の女流作家の作品が並んで掲載されている。ともに一九七〇年代半ば生まれで年齢も近い。木村氏は「風化する女」で文學界新 […]
No.087 文學界 2015年08月号

No.087 文學界 2015年08月号

     優れた作品に出会うと純文学はやっぱり凄いなと思う。しかしその確率はかなり低い。「文學界」を読んでいても、秀作だと思う作品に出会うのは年に数回だ。たとえ駄作でも、大衆小説にはなんらかの形で読者 […]
No.086 文學界 2015年07月号

No.086 文學界 2015年07月号

     七月号巻頭は西村賢太の「芝公園六角堂跡」である。西村らしい私小説である。というより彼は私小説以外の小説を書く気がない。西村にとって文学とは私小説のことである。作品は「二〇一五年二月の、肌寒き […]
No.085 文學界 2015年06月号

No.085 文學界 2015年06月号

     六月号は「第120回 文學界新人賞発表」号である。大衆エンターテイメント小説誌に比べ、純文学誌の新人賞選考はとても難しいだろうと思う。エンタメ小説作家には、まずプロット(面白い物語)を組み立 […]
No.084 新潮 2016年04月号

No.084 新潮 2016年04月号

     たまたま今日という日が、マスメディアを挙げて5年前を振り返るモードだからなのか、文芸各誌を手に取りつつ、妙な感慨に耽ってしまった。「新潮」のレビューとしたけれど、本当は別の雑誌でもいい。文芸 […]
No.083 文學界 2015年05月号

No.083 文學界 2015年05月号

     第一五三回芥川賞を同時受賞した又吉直樹氏の『火花』と羽田圭介氏の『スクラップ・アンド・ビルド』を続けて読んだのだが、つくづく純文学は難しいと思う。原則を言えば純文学と大衆文学の違いなどない。 […]
No.082 文學界 2015年04月号

No.082 文學界 2015年04月号

     男性と女性の違いについては論じ始めるときりがないところがある。一番大きな違いは女性は子供を産むことができる点だろう。それに沿って、長い時間をかけて男女の社会的役割分担が作り上げられてきた。い […]
No.081 文學界 2015年03月号

No.081 文學界 2015年03月号

     「文學界」三月号には羽田圭介氏の『スクラップ・アンド・ビルド』が掲載されている。又吉直樹氏の『火花』と一緒に第一五三回芥川賞を受賞した作品である。たまたま同時受賞したので二作続けて読むことに […]
No.080 群像2015年11月号

No.080 群像2015年11月号

     群像の評論部門の新人賞が発表されている。大変に難しい、内容がではなくて難しい時代になったなあ、とあらためて思われる。新人賞も難しいし、評論も難しくなったのだけれど、その難しさの本質が、この群 […]
No.079 文藝 2015年秋季号

No.079 文藝 2015年秋季号

     柳瀬尚紀による「ユリシーズ」訳の第七章・第八章が新連載として掲載されている。翻訳、それも誰もが知る作品、もっと言えばある時代を象徴する作品の訳こそが文学行為そのものに見える時代が今現在なのだ […]
No.078 すばる 2015年09月号

No.078 すばる 2015年09月号

     確かに文学は変容した、と目次を見て思った。端的に言って、“ 滅びた ”というかたちでの変容だが、いっそよいかもしれない、とも思う。変わり果てた、なとど嘆く必要はない。そもそも近年のあり様は、 […]
No.077 文學界 2015年02月号(後編)

No.077 文學界 2015年02月号(後編)

     繰り言になってしまうが、『火花』について論じるのは本当に気が進まない。どんなスタンスで批評していいのかわからないのだ。他人事ながら芥川賞を受賞し二百万部も本が売れたのは本当に喜ぶべきことで、 […]
No.076 文學界 2015年02月号(前編)

No.076 文學界 2015年02月号(前編)

     とうとうあまり書きたくない「文學界」二月号の回になってしまった。二月号には又吉直樹氏の中編『火花』が掲載され、「文學界」は史上最多の四万部を増刷した。純文学雑誌では異例のことである。その後単 […]
No.075 文學界 2015年01月号

No.075 文學界 2015年01月号

     2015年の新年号から文學界は表紙や目次などのデザインを一新したようだ。少し軽く明るい印象の雑誌になったように思う。ただ目次で小説作品を「創作」と表記しているのは変わらない。この「創作」とい […]
No.074 文學界 2014年12月号

No.074 文學界 2014年12月号

     雑誌や業界ごとのカルチャーは確かにあると思う。自然主義的私小説が、ほぼ日本独自のものといっていい芸術形態であることを僕も疑わない。日本語で書く作家である限り、その影響は陰に日向について回るだ […]
No.073 群像 2015年05月号

No.073 群像 2015年05月号

     清水良典の「デビュー小説論」が連載第六回である。正直、文芸評論の迷走もついにここまで来たか、の感がある。それは必ずしも悪いことではない。何事も極点に到達すれば、見えてくるものはあるのだ。たと […]
No.072 文藝2015年春季号

No.072 文藝2015年春季号

     河出書房新社から刊行された日本文学全集が話題になっているらしい。それは大変喜ばしい。一方で、現在におけるその現象の意味を考えざるを得ないところもある。紙の本も、日本文学も、あるいは文学全集と […]
No.071 文學界 2014年11月号

No.071 文學界 2014年11月号

     純文学小説誌や大衆小説誌を問わず、掲載されている作品の大半は、なぜこの程度の質で、と首をかしげるものがかなりある。純文学は無理矢理深刻そうなテーマをひねり出したような作品が多い。大衆小説の場 […]
No.070 文學界 2014年10月号

No.070 文學界 2014年10月号

     今も昔も小説文芸誌を開いたときの、息が詰まるような閉塞感は同じだろう。たまたま雑誌一冊を手に取っても、秀作・傑作と呼べるような作品が掲載されている可能性は低い。どうしてこんな作品がと思うこと […]
No.069 群像 2014年12月号

No.069 群像 2014年12月号

     目次その他をつらつら眺めて、今さらながら純文学とは何だろう、と思った。それはあまり正確な問いではなくて、純文学の文芸誌をそれらしくみせる純文学的なるものとは何だろうか、と考えたというのが本当 […]
No.068 文學界 2014年09月号

No.068 文學界 2014年09月号

     他の文芸誌でも行われていることだが、「文學界」でも外国文学を定期的に紹介している。日本に限らず世界中のあらゆる文化が、外国から到来した未知の文化によって新たな可能性を見出してきた。ただそれに […]
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