総合文学ウェブ情報誌 文学金魚

私達の故郷は日本語です。金魚屋プレス日本版は、日本語で書かれるあらゆる文学の方向を見極め、私達の精神の行く末を照らす光りを見出そうとするものです。 金魚屋プレス日本版はその光りのすべてを広義の文学と呼びます。

金魚屋プレス日本版代表 齋藤都

Author Archive
No.050 『えんとつの町のプペル』にしのあきひろ著(幻冬舎刊)

No.050 『えんとつの町のプペル』にしのあきひろ著(幻冬舎刊)

     『えんとつの町のプペル』はお笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんの最新絵本である。絵本作家としてのペンネームは〝にしのあきひろ〟だ。『プペル』は三十万部近く売れ、Amazonの絵本ランキン […]
No.049 『シラユキさんとあみあみモンスター』アンネマリー・ファン・ハーリンゲン著 野坂悦子訳(BL出版刊)

No.049 『シラユキさんとあみあみモンスター』アンネマリー・フ・・・

     絵本の賞をいくつか受賞している。絵本のイラストがどうあるべきか、ということに一つの秀れた答えを与えていると思う。それはやはり「絵画」とは違う。テキストとともにあるものなので、テキストを拒絶す […]
No.048 『もりのなか』マリー・ホール・エッツ著

No.048 『もりのなか』マリー・ホール・エッツ著

     この本については、前に書かなかったっけ、とページを見返してしまった。なぜそんなことを思うのか。あまりに多くの人がこの本について言及していて、それが自分の言葉だったように勘違いするのか。そんな […]
No.047 『十二支の年越し』川端誠著

No.047 『十二支の年越し』川端誠著

     重厚感のある木版画ふうの絵が好ましい。年越しのイメージはこうであるべきだ、というものを体現している。どうやら絶版のようだが、このままで復活してもらいたい。何もかも、特に子供向けのものはサイズ […]
No.046 『不思議で美しい石の図鑑』山田英春著

No.046 『不思議で美しい石の図鑑』山田英春著

     あまりにも不思議である。飽かず眺めてしまう。いつまでも見ているのは、何か読もう、読みとろうとするからだが、相手は石だ。しかし石だから見ている。アートとしか思えない模様だが、固有のアーチストの […]
No.045 『原色日本島図鑑―日本の島443 有人島全収録』加藤庸二著

No.045 『原色日本島図鑑―日本の島443 有人島全収録』加藤・・・

     実に心惹かれる。これはどうしてだろうか。なぜ我々は島が好きなのだろう。それは日本が島国、と呼ばれることと関係しているのか、していないのか。大陸の国でも、岸に近い島、あるいは川の中洲をリゾート […]
No.044 『伝説の谷―信州鬼無里の伝承』ふるさと草子刊行会(編集)

No.044 『伝説の谷―信州鬼無里の伝承』ふるさと草子刊行会(編・・・

     長野県の鬼無里(きなさ)村周辺の伝説をまとめた郷土の本である。鬼無里という名の由来を推察するところからも、豊かな物語に満ちている。古来からの地名や言い伝えに想像が深まり、果てしなく広がりをみ […]
No.043 『都の子』 江國香織著

No.043 『都の子』 江國香織著

     特にレベルが高いとされる中学校の入学試験などで、俳句的な心性を問う、というのがときおり見受けられる。俳句の知識や鑑賞では必ずしもなくて、あくまで俳句的と思われるものへの感受性だ。季節感という […]
No.042 『なつかしい時間』 長田弘著

No.042 『なつかしい時間』 長田弘著

     20世紀から21世紀にかけて失われゆくもの、失ってはならないものを語るというものだが、それは結果であり、ときどきのエッセイを集めたものだ。ただ全体には確かに一貫した危機感が流れている。詩人は […]
No.043 『旅猫リポート』 有川浩著

No.043 『旅猫リポート』 有川浩著

     『吾輩は猫である』への言及から始まる。その意味では、通常の児童文学、絵本とは毛色が違う。週刊文春に連載されていた小説だから、もともとは大人が読者だった。位置付けとしては児童文学ということらし […]
No.042 『中国食物事典』 田中静一・編著 洪光佳・監修

No.042 『中国食物事典』 田中静一・編著 洪光佳・監修

     事典の快楽というものは確かにある。それはこの時代にも厳然として残っている、と確認できる。私たちは無限に広がる知識を求めているが、それは可能性として残されているものであってもよい。急を要する情 […]
No.041 『グラウンドの空』 あさのあつこ著

No.041 『グラウンドの空』 あさのあつこ著

     あの『バッテリー』シリーズを読んだら、他の作品も読みたくなるだろう。もちろん『バッテリー』に描かれていたのは、本などあまり読みそうにない少年たちで、またその作品のレベルからして本を読み慣れて […]
No.041 『雪だるまの雪子ちゃん』 江國香織著

No.041 『雪だるまの雪子ちゃん』 江國香織著

     雪子ちゃんは野生の雪だるまである。それからして、ある意味で虚をつかれる。野生のサルでもなく野生のリスでもなく、野生のイチゴですらない。野生の雪だるまである。いうまでもなく、雪だるまとは人が作 […]
No.040 『やっぱり見た目が9割』 竹内一郎著

No.040 『やっぱり見た目が9割』 竹内一郎著

     タイトルのインパクトについては、それが逆説に響くからだろう。本文中にもあるが、我々は、「見た目で判断するな」ということを小学校から刷り込まれている。民話にもボロを着た神さまを邪険にしてバチが […]
No.039 こまった人 養老孟司著

No.039 こまった人 養老孟司著

     時代の移り変わりというものは、必ずしも「いまどきの若いもん」によって表象されるわけではないと思う。むしろ「いまどきの年寄り」によって差異がより明確化しやすい、ということはないか。若いもんがい […]
No.039 ファーブルの昆虫記 ファーブル著 大岡信訳

No.039 ファーブルの昆虫記 ファーブル著 大岡信訳

     虫である。当然のことながら、虫の絵や写真があちこちにある。あまり嬉しいものではない。実際、誰もが知っている名著でありながら、皆が皆、読んだ記憶があるというわけでもなさそうだ。特に女の子であっ […]
No.038 おさんぽ 江國香織著 イラスト・こみねゆら

No.038 おさんぽ 江國香織著 イラスト・こみねゆら

     レースのスカートを手に入れたおんなのこは、さんぽに出ます。さんぽは絵本の見返しから始まっていて、装飾の文様が道行きを示すという、絵のあるテキストの愉しみの本質がいきなり示される。こみねゆらの […]
No.037 カエルの王さま-あるいは鉄のハインリヒ 江國香織著 イラスト・宇野亜喜良

No.037 カエルの王さま-あるいは鉄のハインリヒ 江國香織著 ・・・

     「カエルの王さま」は教訓や意図のわかりにくい話だ。それゆえ江國好みといえる。だが江國香織の多くの童話と同様に、ナンセンスというわけではない。江國香織のような強い観念ー逆説として示されるとして […]
No.034 まあるいごはん こぐれひでこ著

No.034 まあるいごはん こぐれひでこ著

     料理の絵本である。写真でなくてイラストであることで、今ひとつはっきりしないところがあって、それがかえってよい。このように出来上がらなくてはならない、という強迫感が薄いのだ。そもそも自分で食べ […]
No.033 The Book Of The Bath キャサリン・カナー著

No.033 The Book Of The Bath キャサリン・・・

     INAX 出版から発行されている、文字通り “ お風呂の本 ” の傑作である。どのように傑作かというと、絵のある本としてのテキストとヴィジュアルの他に、手触りといった皮膚感覚が伝わってくるの […]
No.032 もうひとつの場所 清川あさみ著

No.032 もうひとつの場所 清川あさみ著

     「地球でもっとも美しい、絶滅図鑑。」という、どこかで聞いたようなコピーなのだが、中身はそんなに狙い澄ましたものでも、よく見かけるようなものでもない。絶滅種や絶滅危惧種をもとにした幻想的なイメ […]
No.031 いばらひめ エロール・ル・カイン著

No.031 いばらひめ エロール・ル・カイン著

     とにかく美しい本である。そして本にとって美しいということは、どういうことかを示唆する。それは単純にゴージャスであっていいものではない。この本については色彩は鮮やかであってほしいが、目を奪うよ […]
No.030 100万回生きたねこ 佐野洋子著

No.030 100万回生きたねこ 佐野洋子著

     たいへん有名な絵本である。最近では、ミュージカルになるという。絵本の大ヒット作の常として、大人にもアピールするということがある。なぜアピールするかといえば、謎があるからだが、本作はさほど多様 […]
No.038 ハッピーノート 草野たき著

No.038 ハッピーノート 草野たき著

     児童文学というのは、何のためにあるのか。こういったものを読むたびに思う。つまらないわけではない。それなりに面白い。しかも子供にとっては未知のこと、役に立つだろう経験の先取りといった効用もある […]
No.029 マンガでわかる微分積分 石山たいら・大上丈彦著/メダカカレッジ監修

No.029 マンガでわかる微分積分 石山たいら・大上丈彦著/メダ・・・

『マンガでわかる微分積分』 石山たいら・大上丈彦著/メダカカレッジ監修      文学を志す人、数学や物理のことなんか、とっくに忘れ去りました、という人々が大学を卒業するころになって「微積分って、なん […]
No.037 ショートショートの広場 阿刀田高編

No.037 ショートショートの広場 阿刀田高編

     中学入試に、星新一のショートショートが出題されたのは見たことがある。他の作者のものも次から次へと頻出する、という状況ではないようだが、今後はどうだろう。詩が出題されるのだから、ショートショー […]
No.028 137億年の物語 クリストファー・ロイド著

No.028 137億年の物語 クリストファー・ロイド著

『137億年の物語』 クリストファー・ロイド著      出版不況は久しいが、書物への根源的な期待、欲望は失われてはいないと思う。こういった本がベストセラーになったと聞くと、なおそう思える。私たちはす […]
No.027 アラビアンナイト博物館 国立民族学博物館/西尾哲夫(編集)

No.027 アラビアンナイト博物館 国立民族学博物館/西尾哲夫(・・・

『アラビアンナイト博物館』 国立民族学博物館/西尾哲夫(編集)      アラビアンナイトという言葉に、私たちは憧れとともに、なぜか郷愁を覚える。それで思わず手に取ってしまう図録である。もちろんそれに […]
No.036 無名仮名人名簿 向田邦子著

No.036 無名仮名人名簿 向田邦子著

『無名仮名人名簿』 向田邦子著      エッセイの名手として、その作品はたびたび入試にも取り上げられるが、小学生などに読ませる場合には、どうしても子供の頃の思い出、また両親(向田邦子の場合は父親のこ […]
No.035 こころの処方箋 河合隼雄著

No.035 こころの処方箋 河合隼雄著

『こころの処方箋』 河合隼雄著      個別のカウンセリングでない、一般論を述べたものがピンとくる、自分に当てはまると思えるときと、そうかなあ、としか思えないときとの落差は大きい。前者の場合、まずそ […]
No.034 思考の整理学 外山滋比古著

No.034 思考の整理学 外山滋比古著

『思考の整理学』 外山滋比古著      古い本である。しかし売れ続け、このところまた言及されることが多い。一種のハウツー本として、即効性を期待されている面もあろうか。が、方法論としては個人的にすぎる […]
No.026 スイミー レオ・レオニ著

No.026 スイミー レオ・レオニ著

スイミー レオ・レオニ著      絵本と言えばこれ、というぐらい有名なものだ。日本語へは谷川俊太郎が翻訳している。少ない言葉だからこそ、過剰なものや足りないものがあってはならない。そして言葉は絵と響 […]
No.025 水の領分 詩・小原眞紀子 画・小原憲二

No.025 水の領分 詩・小原眞紀子 画・小原憲二

水の領分 詩・小原眞紀子 画・小原憲二        ザ・詩画集である。成立がなかなか難しいと言われている、あの詩画集だ。なぜ難しいかと言えば、詩と絵の創作者同士のエゴのぶつかり合いがいかん […]
No.024 ファージョン自伝-わたしの子ども時代- エリナー・ファージョン著

No.024 ファージョン自伝-わたしの子ども時代- エリナー・フ・・・

ファージョン自伝-わたしの子ども時代- エリナー・ファージョン著 監訳・中野節子 訳・広岡弓子 原山美樹子        「絵のある本のはなし」で、何冊もその作品を取り上げているイギリスの女 […]
No.023 長くつしたのピッピ アストリッド・リンドグレーン著

No.023 長くつしたのピッピ アストリッド・リンドグレーン著

長くつしたのピッピ アストリッド・リンドグレーン著 訳・尾崎義 絵・山崎栄介        『長くつしたのピッピ』を知らない人は少ないだろう。スウェーデンの女流作家、アストリッド・リンドグレ […]
No.022 MIXED MEDIA 川端隆之著

No.022 MIXED MEDIA 川端隆之著

詩画集『MIXED MEDIA』詩・川端隆之 絵・川村易        分類としては、これは詩集なのだということで、詩画集の一種かと思ったのだが、それとも少し違うらしい。詩画集とはどういうも […]
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