佐藤知恵子 文芸誌時評「小説新潮」2021年10月~12月をアップしましたぁ。石川、それなりに小説文芸誌を読んでいます。で、これは石川のごく正直な印象です。
大衆小説誌はそれぞれ特徴がありますが、最低でも50パーセント以上は読者を楽しませるだけの小説です。まーはっきり言うと文学的な価値は低い。作家もそんなものを求められても困ると言うでしょうね。推理、恋愛、アイドル系などファン層に向けたきっちり面白い小説を量産していらっしゃる。
では大衆小説のレベルが低いのかと言えばそんなことはありません。佐藤知恵子さんが取り上げておられる小説は文学的価値を評価できるものが多いと思います。そういった小説については大衆文学と純文学の差――つまりアプリオリに純文学の方が文学的価値が高い――をうんぬんする必要はないと思います。
で、純文学小説ですが、文學界さん以外の文芸4誌については比較的理解しやすいです。時には大衆小説誌に掲載されているような作品も載る。また最低限、読者を楽しませよう、小説を読む楽しさ、意義を読者に伝えようという作品が多い。まあなんて言うのかな、編集部も売れるラインの小説を掲載している気配です。
問題は文學界さんなんだなー。石川でもこの雑誌の編集方針がわかりません。作品評価基準もわかりにくい。もっと正確に言うとわかるんだけど、それをはっきり言うのは日本文学におけるタブーなんだろうなぁ。業界全体が芥川賞、直木賞を中心に回っているわけですから。でもま、文学金魚の文芸誌時評をお読みになっていれば、何が問題なのかは自ずとわかってくるはずです。
■佐藤知恵子 文芸誌時評 No.010 畠中恵「かたみわけ」(小説新潮 2021年10月号)■
■佐藤知恵子 文芸誌時評 No.011 カツセマサヒコ「笑う門」(小説新潮 2021年11月号)■
■佐藤知恵子 文芸誌時評 No.012 上畠奈緒「ナギサのモガリ」(小説新潮 2021年12月号)■
■ 金魚屋の本 ■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■