池上晴之 音楽批評『未来の音楽――谷川俊太郎&谷川賢作『聴くと聞こえる』を聴く』をアップしましたぁ。音楽家・谷川賢作さんと、お父様で昨年十一月にお亡くなりになった谷川俊太郎さんとのコンサートライブアルバム『聴くと聞こえる』の、『ザ・バンド 来たるべきロック』の著者・池上晴之さんによる批評です。
池上さんは『W・H・オーデンは「詩は本質的に話されることばであって、書かれたことばではない。ことばの実際の音で聞かない限り、人はその読んでいる詩を把握できぬ」(中略)と述べているが、これは黙読を前提として書かれている日本語の現代詩にも当てはまるのではないだろうか。『聴くと聞こえる』で、谷川俊太郎は自作の詩と散文を朗読しているが、その朗読はとてもナチュラルだ。(中略)谷川俊太郎の地声による自然な朗読を聴いていると「詩は本質的に話されることば」であり、「ことばの実際の音で聞かない限り、人はその読んでいる詩を把握できぬ」ということを実感する』と批評しておられます。
谷川俊太郎さんは音楽のような詩を書きたいと思っておられた節があります。ただそれは、音韻を揃えるとかわかりやすい詩を書くということとは無縁だったように思います。言語表現としていかに音楽に近い感動を読者に与えられるのかお考えになっていたのではないか。それを最も理解していたのが谷川賢作さんでしょうね。親子ですがあまり打合せをしたという感じがしないコラボレーションです。音と言葉で通じ合っておられたのでしょうね。
■池上晴之 音楽批評『未来の音楽――谷川俊太郎&谷川賢作『聴くと聞こえる』を聴く』■
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