岡野隆さんの詩誌時評『句誌』『月刊俳句界2020年10、11、12月号』をアップしましたぁ。商業句誌はたくさん出ているわけですが、月刊俳句界は角川俳句に比べると「俳句=文学」というタテマエが緩いかな。その分、自在な編集が可能になっているところがあります。角川俳句で自由律や重信前衛俳句などの特集が組まれるのはちょっと考えにくいですからね。
俳壇というのはホントに特殊なフィールドで、俳人に聞くと、若手からベテランに至るまでだいたい俳壇が嫌い。口を開けば俳壇の悪口を言うようなところがあります。でも上から下まで何らかの形で俳壇を大政翼賛しているのも事実。端から見ているとほんまに変な場所だなぁと思います。
新聞雑誌の俳句投稿者も俳壇の一員ですから、それを含めた社会が俳壇になるわけですが、要するに俳壇内有名人という俳人たちを一般の人たちは知らない。ほんでこの俳壇社会に属していないと、雑誌に書いたり賞をもらったり、テレビやラジオなんかの俳句指導講座の講師のお声がかからない。ゆえに誰が賞をもらったとか、誰が選考委員になったからこりゃいけるとか、そういった噂話に花が咲くことになる。会社の人事と変わりませんな。
んでこのシステム、当面変わりません。ですから俳人の進路は二者択一。じっと我慢の子で俳壇という場所に属してそこで頭角を現すのが一つ。もう一つは俳壇をすっ飛ばして一般社会でそれなりにアピールする俳句や評論を発表するのが二つ目の道。その中間はないですね。「あたしゃ〈個〉の〈俳句作家〉」とインディペンデントを自称しているような俳人はたいてい俳壇内反体制です。年を取れば取るほど苦しくなる。もち意地を張り通せれば立派です。でもたいていは苦しくなって日和る。俳壇ではなんらかの形で徒党を組まないと苦しい。まともな場所ぢゃないなぁ(爆)。
■ 岡野隆 句誌時評『特集「鯨と酒とヨサコイ祭」』(月刊俳句界2020年10月号) ■
■ 岡野隆 句誌時評『大特集『今もひびく昭和の名句』(前編)』(月刊俳句界2020年11月号) ■
■ 岡野隆 句誌時評『大特集『今もひびく昭和の名句』(後編)』(月刊俳句界2020年12月号) ■
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