岡野隆さんの詩誌時評『句誌』『月刊俳句界2020年3月~6月』『角川俳句 2020年7月号』をアップしましたぁ。岡野さんの句誌時評5連投です。石川は文学金魚を始めてから句誌を読みはじめましたが、ホントに難しい文学ジャンルです。歌人の馬場あき子さんは「短歌は難しそうだけど、実は俳句を詠むより簡単」とおっしゃいましたが、その通りだと思います。俳句は誰でも詠めますが、コト文学となるともの凄く敷居が高い。そう簡単に秀句・名句は生まれないし、俳句の純文学的探究もかなり困難です。現実を見れば俳句の大勢はお遊び習い事芸です。俳人は決してそこから逃れられない。
また誰もが575の短い表現に魅了されるわけではありません。いわゆるプロ俳人は、幼い頃、遅くとも10代半ばには俳句の魅力に取り憑かれます。そこから俳句が世界そのものになる時期がある。ただ俳句に一所懸命になり過ぎると外の世界が見えなくなりバランスを崩します。たとえば今現在の詩の世界のスターは歌人です。一昔前の現代詩の詩人に代わって、一般メディアに頻繁に登場するのは若手・中堅歌人になっています。なぜなら口語短歌やニューウエーブ短歌が現代を捉えている(のではないか)という感触を多くの人が持っているからです。では俳句界はどうか。いろんな形で現代性を模索している若手・中堅俳人はいらっしゃいます。しかしそれが俳壇を超えて一般読書界を説得できるほどにはなっていない。俳句は短歌よりもずっと現代性をアピールし難いジャンルです。なかなか大変です。
しかし恩田侑布子さんを始め、新たな俳句文学の定義や実作に向かっている作家はいらっしゃいます。石川が見るところ、俳人が俳句のみに視線を限定するのはとても危険だと思います。俳句という文学ジャンルを相対化して捉えた方がいい。もちろん現世的俳壇内出世が目標の方はその限りではありません。
■ 岡野隆 句誌時評『特集 河東碧梧桐』(月刊俳句界2020年3月号) ■
■ 岡野隆 句誌時評『特集 虚子と立子』(月刊俳句界2020年4月号) ■
■ 岡野隆 句誌時評『特集 金子兜太の真実』(月刊俳句界2020年5月号) ■
■ 岡野隆 句誌時評『特集 オノマトペって難しい!?』(月刊俳句界2020年6月号) ■
■ 岡野隆 句誌時評『月野ぽぽな「見えないもの」』(角川俳句2020年7月号) ■
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