佐藤知恵子さんの文芸誌時評『大衆文芸誌』『オール讀物 2021年09・10合併号、11月号、12月号』をアップしましたぁ。オール讀物さんは時代小説に強いわけですが、ちょっとマンネリ気味かなぁ。あんまし新しい才能を持った作家が出てないような。
新人賞も時代小説限定になったわけですが、佐藤さんは「大衆小説だから面白ければいいというのはちょっとどうかしらって思っちゃうわね。それなら確実にマンガに負けるわよ。いや、今は売れっ子マンガ家の方が優秀で思想を持っているって言えるんじゃないかしら。小説が復権するためには最低でもマンガ家と同じくらい、あるいはそれ以上の強い思想が必要ね。今は小説批評は絶滅に近づいていますけどマンガ批評は盛んよ。なぜかって考えてみた方がいいわね」と書いておられます。
大衆小説はわかりやすくて面白くなければならない、それはまあ当然です。でもそれだけでは小説というまだるっこしい文字表現の魅力を最大限に発揮できない。思想と言うと構えてしまいますが、面白くても作家の信念が見えない小説はやっぱ弱いでしょうねぇ。
■ 佐藤知恵子 大衆文芸誌時評 No.165『辻村深月「あの人のサロン詐欺」』(オール讀物 2021年09・10合併号) ■
■ 佐藤知恵子 大衆文芸誌時評 No.166『出崎哲弥「装束ゑの木」』(オール讀物 2021年11月号) ■
■ 佐藤知恵子 大衆文芸誌時評 No.167『誉田哲也「レイン」』(オール讀物 2021年12月号) ■
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