佐藤知恵子さんの文芸誌時評『大衆文芸誌』『小説現代 2021年01、02月号』をアップしましたぁ。講談社さんが刊行しておられる大衆小説誌です。講談社さんは「群像」が純文学小説誌、「小説現代」が大衆文学誌の位置づけです。大手出版社はほぼすべて純文学小説誌と大衆小説誌をセットで持っているわけですが、版元によって特色というか傾向は違います。「小説現代」さんはラノベから時代小説まで幅広い。純文学と呼んでもいいような小説も掲載されます。
3月号には第15回小説現代長編新人賞受賞の珠川こおりさんの「檸檬先生」が掲載されています。応募時点では18歲の高校生だったそうです。石川も読みましたがまーすんごい言語能力ですね。もちそれが作家の特徴というか長所なのですが、高校生の男の子でこんなに言語能力が発達した子はいるのかなー、とちょっと思ってしまいました。いるかもしれませんが、男の子なら「その年頃なら女の子の後、追っかけ廻したらんかい」と言いたくなるようなところもあります(笑)。男女では成熟の時期とタイミング、それにその過程がちょっと違うような気がします。
新人賞では身も蓋もない言い方をすれば作家の年齢が若い方が有利です。人間の成熟が遅れていますから、30代までは若いという感じがしますね。じゃそれ以上の年齢になると不利なのか。ハッキリ言えば不利です。新人なんだから当たり前ですね。年を取っていると新しいという感じがなくなります。
ただそこまで考えてデビューするのは可能だと思います。まあこれもハッキリ言えば、若くても年を重ねていても突然新人賞が降ってきてスター作家になるといった夢を見ていてもしょうがない。年を取っていればそれだけの智恵とテクニックを持っていなければなりません。デビューした時に10年選手のような感じになっていないと続きません。現実は厳しいかといえばやはり厳しい。でもそれは誰もが実社会で経験していることですね。文学は例外ということはないです。要は自分の存在をあらゆる方向からできるだけ客観的に見つめること。そうすれば活路は拓けると思います。
■ 佐藤知恵子 文芸誌時評『大衆文芸誌』『No.001 相沢沙呼「泡沫の審判」』(小説現代 2021年01月号) ■
■ 佐藤知恵子 文芸誌時評『大衆文芸誌』『No.002 浅田次郎「兵諫」』(小説現代 2021年02月号) ■
■ 佐藤知恵子 文芸誌時評『大衆文芸誌』『No.003 珠川こおり「檸檬先生」』(小説現代 2021年03月号) ■
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