岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『角川俳句』の4連投です。『No.102 「5・7・5の可能性」伊藤比呂美/高橋睦郎/恩田侑布子(角川俳句 2018年03月号)』、『No.103 「追悼 大峯あきら」(角川俳句 2018年04月号)』、『No.104 「追悼 金子兜太」(角川俳句 2018年05月号)』、『No.105 第52回蛇笏賞受賞作 友岡子郷『海の音』五十句抄(角川俳句 2018年06月号)』です。
俳句・短歌は日本文学の要です。小説や自由詩を読んだり書いたりしている人でも、俳句・短歌の基本は抑えておいた方がいい。もち俳人や歌人も、自分の表現ジャンルだけに目を注ぐのではなく、他ジャンルを根本において最低限度、理解した方がいいです。そうでないと非常に狭いエリアに表現が限定されてしまう。
文学金魚では俳句時評を継続して掲載していますが、俳句に関して言えば、スタンドアローンという面が強いと思います。短歌や自由詩、小説では他ジャンルの表現者を兼ねるのはそれほど難しくない。でも俳句は難しいですね。俳句に最初に夢中になってしまった人は、かなり努力しないと他ジャンルに表現の幅を拡げられないと思います。
その理由は――文学金魚の俳句時評でもしばしば指摘されていますが――俳句が非・自我意識文学である点にあります。もちろん俳句にも作家の個性は表現されていますが、その自我意識表現は短歌・自由詩・小説とは異なります。非・自我意識の基層から湧き上がる自我意識表現なのです。御維新以降の日本文学は、すべて欧米型自我意識文学に染まりましたが、俳句は違うということです。
このあたりのことは、俳句だけを読んだり書いたり考えたりしていたのではわからないと思います。自我意識文学にどっぷり漬かっていても、俳句文学の本質は捉えられないのも同様です。総合文学的視点がなければ、日本文学のジャンル別特性は正確に理解できないのです。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.102 「5・7・5の可能性」伊藤比呂美/高橋睦郎/恩田侑布子(角川俳句 2018年03月号)』 ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.103 「追悼 大峯あきら」(角川俳句 2018年04月号)』 ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.104 「追悼 金子兜太」(角川俳句 2018年05月号)』 ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.105 第52回蛇笏賞受賞作 友岡子郷『海の音』五十句抄(角川俳句 2018年06月号)』 ■
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