高嶋秋穂さんの『詩誌時評・歌誌』『角川短歌』の4連投です。『No.045 第63回角川短歌賞発表「十七月の娘たち」睦月都(角川短歌 2017年11月号)』、『No.046 現代歌人特集シリーズ「永田和宏」(角川短歌 2017年12月号)』、『No.047 特集「新春75歌人大競詠」(角川短歌 2018年01月号)』、『No.048 追悼特集「岩田正」(角川短歌 2018年02月号)』です。中でも追悼特集「岩田正」の馬場あき子さんの追悼歌は見事でした。
ふたりゐてその一人ふと死にたれば検死の現場となるわが部屋は
一瞬にひとは死ぬもの浴室に倒れゐし裸形思へば泣かゆ
腰抜けるほどに重たき死を抱へ引きずりしこのわが手うたがふ
深き皺ひとつ増えたり夫の死後三日の朝の鏡に見たり
夫のなき女の貌になりゆくかさびれゆく顔を朝々に見る
きみの死のみづみづとわれの手に甦るまだ温かき胸や肩や手
亡き人はまこと無きなり新しき年は来るともまこと亡きなり
(馬場あき子「追悼二十首 別れ」より)
俳句でも自由詩でも追悼詩はありますが、意外と難しいものです。なかには追悼する側の〝作品〟になってしまっていて、こりゃ誰を追悼してる詩なのかねぇと思ってしまう場合もあります。また近親者だから良い追悼詩が書けるわけではない。それまでの作家としての力が試されるわけです。
作家意識が強い追悼詩は嫌味になります。その逆に作家意識がなければ詩にならない。この当たり前ですが意外に難しいハードルを軽々と越えなければなりません。馬場あき子さん、やはり見事です。
■ 高嶋秋穂 詩誌時評『歌誌』『No.045 第63回角川短歌賞発表「十七月の娘たち」睦月都(角川短歌 2017年11月号)』 ■
■ 高嶋秋穂 詩誌時評『歌誌』『No.046 現代歌人特集シリーズ「永田和宏」(角川短歌 2017年12月号)』 ■
■ 高嶋秋穂 詩誌時評『歌誌』『No.047 特集「新春75歌人大競詠」(角川短歌 2018年01月号)』 ■
■ 高嶋秋穂 詩誌時評『歌誌』『No.048 追悼特集「岩田正」(角川短歌 2018年02月号)』 ■
■ 第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
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