遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第42回 最終回)をアップしましたぁ。いよいよ最終回です。ヴァーチャルリアリティ小説+推理モノの犯人探しの『虚構探偵』、スリリングでしたね。『虚構探偵』のままではないですが、こういった小説の楽しみ方は将来本当に現実化するのではないかと思います。ただし元ネタは文字で書かれた小説で、古典小説が多くなるのではないかと思います。
1980年代から90年代にかけて、まだ戦後文学の大物作家がご存命だった時代に、彼らの「小説を読まないとバカになる」という意味の発言やエッセイが新聞などに載って話題になったことがあります。石川は「んなバカな」と思っていましたが、どーもそれはお気楽過ぎたようです。小説に限りませんが、寺子屋的な文字の読み書き、必須であります。
さまざまな知識や複雑な情感は、マンガやゲームからでも感受して学習できます。実際若い世代の多くがマンガ・ゲームから世の中に出るための知識を吸収しています。一方でマンガ・ゲーム世代の国語力の低下が大きな問題になりつつあります。ちゃんと読み書きを学習していないので、テストなどで問題文が読解できないといった弊害がマジで起こっています。先進的義務教育の学校で、タブレットなどを使って授業をしたりするのも危険だということがわかってきた。紙に書いて覚えないからです。発想力豊かになってもそれを表現する土台は文字です。その土台が揺らぎ始めています。
『虚構探偵』はそういう意味でも先進的小説です。主人公はインテリで読書家。マンガやアニメの作家もそうです。ハッキリ言って読者ほど怠惰ではなく文字表現の基礎体力が高い。それを研ぎ澄ましてマンガ・ゲームコンテンツに活かしている。『虚構探偵』、さまざまな意味で考えさせられる小説です。
■遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第42回 最終回)縦書版■
■遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第42回 最終回)横書版■
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