萩野篤人 文芸誌批評 No.007 赤松りかこ「シャーマンと爆弾男」(新潮2023年11月号)、連載小説『春の墓標』(第12回)、新連載評論『モーツァルトの〈声〉、裏声で応えた小林秀雄』(第01回)をアップしましたぁ。新連載評論はモーツアルト論です。正確に言うとモーツアルトと小林秀雄論です。
小林秀雄とモーツアルトの並列批評はとてもいい視点だと思います。杓子定規と言いますか、大前提として音楽は最後のところ言語化を拒む。絵画も同じですが。それでもある秩序に従って音楽が作られている以上、それは人間が生み出した音楽言語なのであり、日常言語と親和性があるから批評が可能になる。では音楽言語と日常言語を繋ぐものはなにか。
直観でしょうね。小林の『モオツァルト』は萩野さんが書いておられるようによく読めばそれほど優れた批評ではない。しかしなぜ有名なのかと言えば『突然、このト短調シンフォニイの有名なテエマが頭の中で鳴った』『街の雑沓の中を歩く、静まり返った僕の頭の中で、誰かがはっきりと演奏したように鳴った。僕は、脳味噌に手術を受けたように驚き、感動で慄えた』という文章がモーツアルトのある本質を衝いていたからだと思います。中也のポン友だっただけあって小林は直観把握に優れていた。やり過ぎって面もありますが(笑)。次回が楽しみです。
■萩野篤人 文芸誌批評 No.007 赤松りかこ「シャーマンと爆弾男」(新潮2023年11月号)■
■萩野篤人 新連載評論『モーツァルトの〈声〉、裏声で応えた小林秀雄』(第01回)縦書版■
■萩野篤人 新連載評論『モーツァルトの〈声〉、裏声で応えた小林秀雄』(第01回)横書版■
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