No011【対話 日本の詩の原理】『戦後思想からポストモダニズム思想へ―吉本隆明篇』(四 全四回)池上晴之×鶴山裕司×萩野篤人 をアップしましたぁ。吉本隆明篇完結です。みなさんお疲れ様でした。吉本さんは大正13年(1924年)生まれなので、今年2024年は生誕100年です。もうそんなに経ってしまったのかと思いますが、生誕100年を祝うよい鼎談になったと思います。
今回は吉本さんの『最後の親鸞』、『ハイ・イメージ論』の音楽論、晩年近くの詩作品についてです。『最後の親鸞』は宗教論で『ハイ・イメージ論』の音楽論は、普通の音楽論ではなく音楽を像(イメージ)として捉えた評論です。どちらも独自のアプローチ方法を採っています。普通じゃないアプローチ方法で吉本さんは宗教や音楽を論じた。こういった批評家(思想家)は皆無です。
吉本さん独自のアプローチ方法は、彼が詩人だったことと切り離せません。大思想家ですが、吉本さんは生前いわゆる文壇に君臨した人ではありません。文芸誌にも詩誌にも距離があった。彼が足場を置いていたのは個人誌「試行」です。それだけ「試行」の支持者(読者)がいたわけですが、吉本さんが好きにいろんなジャンル、いろんな角度から批評を書くことができたのは「試行」があったからだと言っていいと思います。メディアと付き合いながら、彼は書きたいことを好きに書ける自己のメディアを手放さなかった。それだけ筆力があり興味の範囲も広かった。そんな作家はいません。
なにせ膨大な著作のある作家ですから、今回は総論的な討議になりました。ただ石川は、吉本さんは一冊の本を取り上げてもその思想的魅力がじゅうぶん伝わる作家だと思います。文学系に限って『言語にとって美とはなにか』や『初期歌謡論』でまた討議を行っても面白いかもしれません。
■No011【対話 日本の詩の原理】『戦後思想からポストモダニズム思想へ―吉本隆明篇』(四 全四回)池上晴之×鶴山裕司×萩野篤人 縦書版■
■No011【対話 日本の詩の原理】『戦後思想からポストモダニズム思想へ―吉本隆明篇』(四 全四回)池上晴之×鶴山裕司×萩野篤人 横書版■
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