佐藤知恵子 大衆文芸誌時評『オール讀物』2022年3・4月合併号、5月号、6月号をアップしましたぁ。大衆小説は世相を映す鏡といったところがあります。東日本大震災直後から震災モノ小説が増えました。最近ではマンガ、お笑いやSNSを小説小道具に使う作品が増えています。世相に影響を受けるのは純文学も同じなのですが、純文学の場合は介護など、重めの世相を小道具に使うことが多いですね。
マンガ・アニメといったサブカルは、名称として定着しているので今後もこの名称で続くでしょうが、文化面での影響はもちろん、経済的にも完全に日本を代表するメインカルチャーになっているのは周知の通りです。YouTubeには日本に来日した外国人の方のコンテンツがたくさん載っていますが、ほとんどの場合、マンガ・アニメが日本に興味を持ったきっかけです。日本の地方都市に行ってもマンガ・アニメによる町おこしが盛んです。
新聞が部数を減らし続けていて、近い将来、最低でも地方紙の統廃合が進み、三大新聞なども業態の転換を迫られるのは確実です。当然、文学の世界にもそれは及びます。大衆文学誌ではオールさんを最初に、他誌でも雑誌の間引き(合併号)が始まっています。石川の予想では、小説家の雑誌と単行本での稿料(印税)二重取り制度は揺らぐと思います。じゃ、小説家は稿料が欲しいのか、印税は少なくても本を出したいのか。後者なら金のかかる文芸誌の形態は変わってゆかざるを得ないでしょうね。
■ No.170佐藤知恵子 大衆文芸誌時評―井上荒野「小説家の一日」(オール讀物 2022年03・04月合併号)■
■ No.171佐藤知恵子 大衆文芸誌時評―遠田潤子「ファミリアのワンピース」(オール讀物 2022年05月号)■
■ No.172佐藤知恵子 大衆文芸誌時評―波木銅「結局のところ、わたしたちはみな」(オール讀物 2022年06月号)■
■ 金魚屋の本 ■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■