岡野隆さんの詩誌時評『句誌』『月刊俳句界2020年7、8、9月号』をアップしましたぁ。岡野さんは川名大さんの「西東三鬼・渡邊白泉・富澤赤黄男の蜜月と破局」などを取り上げておられますが、俳句を流れの中で見ることは大事ですね。
岡野さんがしばしば書いておられますが、俳句のベースは習い事文芸です。いわば文学とお遊びの中間にある表現で、これは今後も決して変わることがないでしょうね。いくら俳人が「俳句は文学である」と言っても間違いなく身内からそれを裏切る俳人が次々に出現します。ということは、俳句は習い事文芸というのはどこかで正しい何かを射貫いているということです。それに反発するのではなく「何故か?」と考える方が実りある思考になるはずです。
ただ蕉門以来の習い事文芸の滔々たる俳句史の中で、やはり俳句を文学として表現した作家たちはいるわけで、それを捉えるのも大事な俳句思考に繋がってきます。岡野さんは「俳句の世界に限らないが、文学の世界では〝最初に何事かを成し遂げた人〟は別格的に偉大である」と書いておられますが、それはまったくその通り。俳句は基本的に〝なぞる〟文芸ですが、そこから文学への道が開けているとも言えます。
■ 岡野隆 句誌時評『特集 波多野爽波』(月刊俳句界2020年7月号) ■
■ 岡野隆 句誌時評『川名大「西東三鬼・渡邊白泉・富澤赤黄男の蜜月と破局」』(月刊俳句界2020年8月号) ■
■ 岡野隆 句誌時評『星永文夫句集『俗神(ぞろぞろ)』』(月刊俳句界2020年9月号) ■
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