萩野篤人 連載小説『春の墓標』(第03回)&連載評論『〈寓話〉死んだらそれきり。』(下編)をアップしましたぁ。評論『〈寓話〉死んだらそれきり。』は今回で最終回です。『アブラハムの末裔』から続く萩野さんの思想的テーマが展開されています。小説『春の墓標』でもこの思想的テーマは一貫しています。
実際に批評を書くかどうかは別として、創作者は自らのテーマについて深く考えます。その考えというか捉え方は作家ごとに異なる。萩野さんの場合は評論でテーマについて論理的に考え、そこでは追い詰めきれない部分を小説で表現している気配です。ある意味理想的な評論と小説の使い分けです。
萩野さんは〝人間、どうしようもなく追い詰められると笑いが生じる〟という意味のことを書いておられます。これはけっこう恐ろしい認識です。本当にそれを体験した人しか発言できません。そういった体験を持つ人が作品を書くと、文字が恐ろしいほどのリアリティを持つことがあります。『春の墓標』という小説はそんな恐ろしくも滑稽な体験に読者を導いてくれるはずです。
■萩野篤人 連載評論『〈寓話〉死んだらそれきり。』(下編)縦書版■
■萩野篤人 連載評論『〈寓話〉死んだらそれきり。』(下編)横書版■
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