岡野隆 句誌時評「角川俳句」2021年09~2022年04月号をアップしましたぁ。岡野さんの「角川俳句」時評8本です。
石川、編集者として本や雑誌、新聞の形態がどうなるのか注目しています。もち金魚屋のような弱小が先頭に立って旗振りすることはできませんが、デジタル媒体に移行するならそれに乗っからなければなりません。その場合でも紙媒体が絶滅するとは考えにくいので、それにも対応してゆかなければならない。
ただデジタル媒体への完全移行は今のところ難しい。統一プラットホームはありません。版の管理に関する法整備などもない。デジタル媒体は簡単に内容を変えることができるので版の管理がとても重要です。紙の占い本では2023年版と銘打った本が年末まで重版出版されたりしますが、たとえば6月に重版する本で5月までの占いをちょっと変えて当たりにすることが行われています。占い本くらいならまあ大目に見ましょうで済みますが、文学本であってもそんなことが横行すれば問題山積になります。
また新聞の発行部数が減り続けていて、文芸誌でも年12冊の月刊から2冊間引きした10冊刊行などになっている雑誌もあります。これは文芸大不況時代なのですから当たり前。よほどの流行作家でなければ文筆で食べてゆくのが難しい時代です。もしかすると戦後一般的だった原稿料と印税の二重取りシステムはいずれ消滅するかもしれない。まあ何ごとも永遠ではありません。
でも俳句商業誌は安泰だろうなぁ。世の中の大きな流れと無縁に紙の雑誌を買って勉強して、一所懸命作品を書いて投稿して憧れの俳壇で認められたいという人たちが読者だからです。商業句誌は永遠に「俳句ってなに?」「季語ってどう使うの?」「切れ字について知ろう」といったホットドックプレス的ルーティーン特集を組み続けると思います。プロ俳人と呼ばれる人たちもそれを大政翼賛して俳壇、つまり商業句誌の覚え目出度いかどうかを異様に気にしている。小説系の文芸誌の将来は危ういですが、紙雑誌で最後まで生き残るのは商業句誌だと石川は予想していますぅ(笑)。
■No.179 岡野隆 句誌時評-角谷昌子「俳句の水脈・血脈―今井杏太郎」(「角川俳句」2021年09月号)■
■No.180 岡野隆 句誌時評-川名大「昭和俳句史―前衛俳句~昭和の終焉―」(「角川俳句」2021年10月号)■
■No.181 岡野隆 句誌時評-角谷昌子「俳句の水脈・血脈―阿波野青畝」(「角川俳句」2021年11月号)■
■No.182 岡野隆 句誌時評-「抜井諒一 第二句集『金色』特集」(「角川俳句」2021年12月号)■
■No.183 岡野隆 句誌時評-川名大「高柳重信と金子兜太の暗喩方法論および暗喩作品の対比」(「角川俳句」2022年01月号)■
■No.184 岡野隆 句誌時評-角谷昌子「俳句の水脈・血脈―沢木欣一」(「角川俳句」2022年02月号)■
■No.185 岡野隆 句誌時評-特集「歳時記の力」(「角川俳句」2022年03月号)■
■No.186 岡野隆 句誌時評-宮坂静生「芭蕉、その先見性―「おくの細道」私見」(「角川俳句」2022年04月号)■
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