岡野隆さんの詩誌時評『句誌』『角川俳句 2021年04月~06月号』をアップしましたぁ。正岡子規だっけな、そうそう、子規さんが、「あきらめるといふこと」というエッセイを書いていると思います。中江兆民が『一年有半』で「死は恐れぬに足らぬ」といった達観を書いたのに対して、子規は「兆民はあきらめたが、あきらめるといふ以上のことを知らない」と批判したんですね。うろ覚えですけど。
んでこれは俳句にけっこう援用できる話だと思います。俳人さんたちは、俳句という表現に関わっている以上、諦めた方がいいこと、どーやったって諦めなければならないことがたくさんある。その線引きを間違えるとえっらいムダな試みを繰り返すことになると思います。んで線引きした上で「あきらめるといふ以上のこと」を模索するのが俳句というものだと思います。
ではなにをどこまで諦め、なにから「あきらめるといふ以上のこと」を模索するのかというボーダーの確定ですが、これは俳句だけを見つめていたのでは決してわからない。岡野さんが書いておられますが句誌は万年同じ特集を繰り返している。意気軒昂な俳人が違う違う俳句は本質的な場所(つまり自分の仕事)ではもっと活発に動いているんだと主張してもムダ。対局的に見れば俳壇は今も昔も停滞している。まずそれを認めてあっさり諦めることがスタートでしょうね。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『角川俳句』特集「境涯俳句―俳句は生き様」(2021年04月号) ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『角川俳句』西村麒麟「けえろう」(2021年05月号) ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『角川俳句』川名大「「俳句評論」の新風」(2021年06月号) ■
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