寅間心閑 連載小説『オトコは遅々として』(第40回)をアップしましたぁ。家族内でまた違う波乱が起きそうな気配です。家族はスリリングなんだな。平穏な日常が事件になる。日常が平穏でなくてもそれはいずれ事件化してしまう。それが家族というものです。
事件は失恋とか喧嘩、究極を言えば事故とか殺人のことです。小事件から大事件まであるわけですが、家族の日常は微小な事件の連続です。それが積み重なって小、中、大の事件になってゆく。子どもは世界が両親だけだった世界から外の刺激的世界に出て行き家族内に波乱をもたらします。大人は年老いてゆき、老人になれば時として寝たきりや認知症になってしまう。家族はそれに寄り添います。
では事件が家族に事件として認識されているかというと、これが微妙。最初の衝撃を乗り越えればどんな家族内事件も日常に転化されてゆく。DVはもちろん極端な貧困も一種の事件であり虐待と呼べるわけですが、それに慣れなければ、日常にならなければ人間は生きていけない。そしてそれが人間の精神を複雑にする。家族小説は複雑な人間精神の解剖小説だと言うこともできますね。
■寅間心閑 連載小説『オトコは遅々として』(第40回)縦書版■
■寅間心閑 連載小説『オトコは遅々として』(第40回)横書版■
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