遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第36回)をアップしましたぁ。詳細な漱石『三四郎』読解であります。小説内小説読解ですが。小説内読解としては〝『三四郎』殺人事件〟の布石となるわけですがその前提として正確な読みが必要です。
遠藤さんの読解を読んでいると、『三四郎』はつくづく漱石の初期小説だということがわかります。広田先生は『野分』の白井道也そのものです。また広田先生が三四郎に語る理想の女には『夢十夜』で一番有名な「第一夜」の女の面影があります。どちらも夢のような幻想の女性ですから。
遠藤さんは「広田はその少女に、憲法発布前に出会っている。それは『滅びるね』といわれるような日本ではなかった時代を象徴してるのかもしれないわね」と書いておられます。また三四郎について「三と四の間に引き裂かれてるわけよね。東京と九州、つまりは資本主義化及び帝国主義化していく憲法発布以後の明治とそれ以前の牧歌的な時代との間に」と読解しておられます。正確な読解です。
■遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第36回)縦書版■
■遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第36回)横書版■
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