No006【対話 日本の詩の原理】『戦後詩の本質と限界―田村隆一篇』(三 全四回)池上晴之×鶴山裕司をアップしましたぁ。戦後詩は第二次世界大戦(太平洋戦争)の敗戦後に生まれた一連の自由詩です。田村隆一が実作において戦後詩を代表する詩人であることは間違いありません。対話で論じられているようにその影響は最近まで長く続きました。いやこれからも続くでしょうね。
21世紀初頭の世界情勢は揺れています。誰もがまさかと思ったロシアによるウクライナ侵攻が起こりました。パレスチナではイスラエルとハマスが戦闘中です。台湾情勢も不穏。そういった情勢を反映してウクライナやパレスチナ、台湾詩の特集を組む雑誌が出始めています。石川、だいたい読みましたがはっきり言って日本の戦後詩よりレベルが低い。戦闘地域での人々の苦悩は別として、詩表現としては多くが画一的プロパガンダです。
日本の戦後詩の表現の高さ(深み)は最良の作品がほぼプロパガンダと無縁であることにあります。なぜなら思想的にも実践的にも(従軍を含みます)戦前の皇国思想と無縁だった作家はほぼいないからです。肉体的な痛切な痛みを伴う人間存在と思考の矛盾を戦後詩は通過している。今の時代、日本の戦後詩を総括することには高い意義があると思います。
■No006【対話 日本の詩の原理】『戦後詩の本質と限界―田村隆一篇』(三 全四回)池上晴之×鶴山裕司 縦書版■
■No006【対話 日本の詩の原理】『戦後詩の本質と限界―田村隆一篇』(三 全四回)池上晴之×鶴山裕司 横書版■
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