ラモーナ・ツァラヌ短編小説『心像』(前編)をアップしましたぁ。ルーマニア人能楽研究者で演劇批評家でもあるラモーナさんの新作小説を前・後編でお届けします。ラモーナさんの小説はこれで7本目です。けっこういいペースで小説を発表しておられます。小説を続けて書けるというのは表現したいテーマがあるということ。思いつきで1作書いてもテーマがなければ当然続きません。
もちろん小説の場合、テーマを簡単に説明できるわけではありません。小説ジャンルの根本的存在理由として、評論などの散文論理では決して説明しきれないテーマを作家が抱えているということがあります。小説、まだるっこしいです。架空の登場人物や時空間を設定して錯綜した物語を作ってゆく。一言で説明できるなら手間暇かけて小説を書く必要はない。
それでも作家のテーマというものは、作品を何作も読めばなんとなく分かってくるものです。そしてたいていの場合、優れた作家の中心テーマは一つです。それを裏表、斜め横から書いてゆく。作家によっては作品を書くうちにテーマがハッキリしてくる場合があります。最初からある程度テーマが明確な作家もいます。ラモーナさんは後者でしょうね。処女作の『時空堂』から基本的テーマは変わっていないと思います。
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