みなさま明けましておめでとうございます。本年も文学金魚をよろしくお願いします。
新年一発目は詩集『聖遠耳』、『おこりんぼうの王様』と『日本近代文学の言語像Ⅰ 正岡子規――日本文学の原像』を金魚屋から好評刊行中の鶴山裕司さんの連載エッセイ『言葉と骨董』『尾形乾山「花中真隠逸」鉋目皿」』(第72回)をアップしました。
石川、定期的に美術関連コンテンツをアップしたいのです。美術はなんやかんやいって華やかですから。今回は乾山。しかもコンテンツを読むとどーもホンモノらしい。もち世の中に乾山真作があるのは当然ですが、身近に乾山を持っている人がいるとは思わなかった。乾山はたいてい贋作だと聞いているのでちょい驚きです。
鶴山さんの真贋鑑定は例によって緻密です。これは彼の文芸批評についても言えることです。今の批評はとても閉鎖的な世界になっています。批評で頭角を現したい作家たちがせっせと批評を書き同類の他者の批評を読んでる感じ。いち早く文芸批評離れをしているのは小説家たちです。なぜならぜんぜん小説を書くための参考にならない。要するに文芸批評の体をなしていない。
石川は『子規論』『漱石論』そして次の『鷗外論』の『日本近代文学の言語像』三部作シリーズで「わたしはこう思う、こう感じた」の日本の伝統的文芸批評の時代は終わると思います。また文学作品をダシにして批評家の思想を表現する蓮実重彦、柄谷行人さん以降の〝創作批評〟の時代も終わると思います。文学批評はどこまでいっても文学批評。本来の原点に戻るわけです。
金魚屋新人賞(辻原登奨励小説賞・文学金魚奨励賞共通)最終審査候補作も発表しましたが受賞作発表は2月1日です。今回は受賞作があるといいなぁ。
■ 鶴山裕司 連載エッセイ『言葉と骨董』『尾形乾山「花中真隠逸」鉋目皿」』(第72回) ■
■ 金魚屋新人賞 最終審査候補作発表(辻原登奨励小説賞・文学金魚奨励賞共通) ■
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