りょんさんのときどき集中連載『世相をわらう25―NHK問題は投了しました。』をアップしましたぁ。りょんさんは『それでNHKの受信料の問題も、なんかさー終わっちゃったみたいなんだよね』と書いておられます。理由はN党の立花さんのNHK批判圧力。立花さん、NHKにとってはマジ天敵。とことん考え抜いた上で、身辺整理までしてNHKの解体を含む批判を展開しておられる。これはNHKにとってはマジ厄介ですな。
ただ立花NHK批判が厄介なのは、NHKのアイデンティティを含む基盤が脆弱だから。太平洋戦争中の大本営発表の拡声器だったNHKがそれを反省し、民間企業にも政府にも頼らない『国民のためのNHK』として再出発した際に採用されたのが受信料制度。でもTAXではない。放送法でテレビ(受信機)があれば払う義務があると明記されているがテレビを買う時に契約を結ぶ義務もない。とても曖昧。要するに取れるところから取ればいいという姿勢で長年続いてきた。その曖昧さを曖昧なまま強制支払義務に地滑りさせようとしているから問題が起こる。
80年代の終わり頃から強引な受信料取り立てが社会問題になりました。BS受信料を追加するなど受信料もどんどん値上がりした。現状で地上波BS合わせると3,395円、年間で4万740円。かなり高い。値下げされるが年約4万円近くになる。支払義務が曖昧だから、誰だって二の足を踏む。では公共放送と呼べるかというと、ニュースを含む公共性の高いプログラムはせいぜい全体の40パーセント弱であとの番組は民放と変わらない。どんどんNHKのアイデンティティが曖昧になっているという感じは否めません。
強引な取り立ては論外としても、NHKは納税義務なし。どんどん内部留保金が貯まる。国民の受信料で作ったプログラムをネトフリに売っておきながらCMが入ると文句を言う。予算編成も実にアバウト。総務省を動かして怪しげな特別あて所配達郵便を出したり、カーナビでテレビが映れば受信料の取り立てをする、受信料裁判で勝訴しても裁判結果に基づく受信料徴収が場当たり的など組織としての姿勢がブレブレ。皆様のNHKなら核心を突いた批判を受けた時は大きな改革を断行しなければならないでしょうね。
NHKさんが追い詰められているのはネット社会の滲透でもあります。好きなプログラムを自分で選んで見られるサービスはネトフリスタンダードで月1,200円。NHKの地上波月額1,225円と変わらないが、契約の自由があるならネットTVを選択する人も多いでしょうな。実際地上波TVが写らないテレビ(モニタ)も売れています。
もちNHKの解体はそう簡単ではないでしょうね。関連企業を含む膨大な従業員の生活はもちろん企業年金なども複雑に絡み合う。ただ岡目八目で見ていると最低でも分社化は避けられそうにありません。今のように取れるところから受信料を取って、公共放送なのか民放なのか曖昧なプログラムを作り続けるのは限界でしょうね。受信機(テレビ)があればNHK受信料支払い義務があるというのが放送法の規定ですが、NHKが映らないテレビも発売され始めています。テレビは今やローテク家電ですからそういう製品を作るのは難しくない。でも民法とNHKと家電メーカーの長いお付き合いというか癒着があってそのての製品は作られて来なかった。NHK問題が大きくなればなるほど分社化への道筋はハッキリすると思います。
で、ここまで書いておいて石川、NHK問題にはそんなに関心ありません(笑)。ただN党の立花さんのYouTubeはよく見ています。彼の姿勢や問題提起の仕方はとても参考になる。社会問題はどんなものでも根深い。そう簡単には変えられない。本気で一つの問題に関わるとほとんど人間一人の一生が終わってしまう。ただ大きな問題があると考え、それが自分にとって切実なら改革改変に向けて努力する価値はあります。
その場合の最大の武器はアイデンティティ。どうやったってこれは動かせないという原理です。たいていの社会問題は原理から逸脱したのが原因で起こる。皆様のNHKが国民を脅していると取られかねない受信料徴収に動いたり、人々の生活を豊かにし利便性を向上させる商品を開発するのが目的の企業が公害を撒き散らしたりね。原理からズレた場合はそこに立ち戻らなければなりません。必要なら原理を再定義する。そこからしか現代に合った綜合的なフレームは生まれないでしょうね。
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