松原和音さんの連載小説『一月のレモネード』第6回をアップしましたぁ。三人の女性、主人公のミクが一番年下ですが、若い女性たちが初詣に行く回です。小説ですから言語的に再構成されているのですが面白いですね。
前にテレビでアルバイトの面接という設定で、女性グループと男性グループを待合室で小一時間ほど待たせるとどうなるのか、という実験をしていたのを見たことがあります。女性グループは10分くらい経つとお喋りし始め、30分も経つとヒマということもあってラインを交換したり写メを撮ったりし始めた。対する男性グループは、部屋にいる他の男性をチラチラ見ながら黙ったままでした。こういうところに男女差はハッキリ出ますね。
ジェンダーということを言えば、社会性を備えているのは男女同じ。ただその発揮のし方が違う。男は社会的前提が見えなければ相互理解を一歩も進められない。得体の知れない相手に斬り込んでゆく男は少ないわけです。女性の方はストレートに斬り込んでゆく、ように見える。しかし微妙に探りを入れ核心に近づくとそれをフッと逸らして上辺で流したりする。
こういった女性的社会性のようなものを描くのが松原さんはホントに上手いですね。作家としての強みだと思います。逆に言えば、男に対する観察眼というか認識が甘くなったりするわけですが、それで良いわけです。男は不可知でいい。不可知は謎でありトラブルの元でもあります。それを女の世界にもたらしてくれれば男たちはその役割を果たしたということになります(笑)。
■ 松原和音 連載小説『一月のレモネード』第6回 縦書版 ■
■ 松原和音 連載小説『一月のレモネード』第6回 横書版 ■
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