佐藤知恵子さんの文芸誌時評『大衆文芸誌』『オール讀物』の2連投です。乙川優三郎さんの『蟹工船なんて知らない』、青山文平さんの『台』を取り上げておられます。佐藤さんはヒマにまかせて人間ドックとか健康診断を受けまくっておられるみたいです。長生きしそうだなー、どんどん怖いもの知らずになっていくんだろうなー(笑)。
佐藤さんはオール讀物の時代小説の書き方について、「説明抜きである視覚的場面を提示してそこで後に拡がってゆく物語の伏線を張る、と。もちろん読ませるための、小説を売るための大衆小説にはこれ以外にも様々なパターンがあるわけですが、ちょっとマンネリ気味というか飽和に達しているようなところがござーますわね」と書いておられますが、それは石川も感じます。まあその気になれば簡単に真似できる。時代小説が飽和になっている原因の一つです。
もちろんオールさんに限らず芸能人に小説を書かせるといったことをどの文芸誌もやっています。しかしやっぱり『火花』のような大ヒットになるのは宝くじに当たるようなものです。たいていの場合、文筆業は労多くして功少なしですから、一巡したらまた元の木阿弥でしょうね。なかなか決定的打開策はないようです。
■ 佐藤知恵子 文芸誌時評『大衆文芸誌』『オール讀物』『No.151乙川優三郎「蟹工船なんて知らない」(2020年05月号)』 ■
■ 佐藤知恵子 文芸誌時評『大衆文芸誌』『オール讀物』『No.152青山文平「台」(2020年06月号)』 ■
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