岡野隆さんの詩誌時評『句誌』『角川俳句 2020年8月号』をアップしましたぁ。俳句の「俳」は面白いことに「人ニ非ラズ」と崩せるわけですが、岡野さんはそのあたりのことを書いておられます。
高野ムツオさんは「「俳」を巡って」を三橋敏雄の講演から始めている。ある講演で三橋は「俳句は読んで字のごとく人非人のやること」だと言ったのだという。冗談めかした言葉ではあるが、これもまた正しい俳句理解である。俳句は「私はこう思う」「こう考える」の自我意識表現と徹底して相性が悪い。それは短歌の独断場だ。俳句はむしろ、人ではないような超俗的な高みから俗世を相対化したがる表現である。ただ人間は俗世と無縁に生きてゆくことはできない。だから「狂」が必要になる。
岡野隆
もちろん「狂」は正気を失うことではありません。「人ニ非ラズ」に繋がります。短歌よりも俳句の方が厭世、隠遁を感じさせるのはそのせいでしょうね。
■ 岡野隆 句誌時評『高野ムツオ「「俳」を巡って』(角川俳句 2020年8月号) ■
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