皆様明けましておめでとうございます。本年も文学金魚をよろしくお願いします。
さて、文学金魚では新春企画として、文学金魚ちゃんねる 小原眞紀子『2021年の文学金魚占い』& 寅間心閑×松岡里奈 対談予告動画、そして寅間さんと松岡さんの新人対談『男の小説と女の小説』をアップしましたぁ。
文学金魚ちゃんねるは、藁にもすがる思いで新進気鋭の動画編集のプロ、Genie Yongさんに制作をお願いしました。お忙しい中、2本のコンテンツを作っていただきました。やっぱプロの編集は違いますねぇ。動画に関しては、これからもYongさんにお手伝いしていただこうと思っています。
んで世の中から相当遅れましたが、2021年が文学金魚のYouTube元年になるやもしれません。もちろん小原さんが『2021年の文学金魚占い』でおっしゃっているように、あらゆるコンテンツの中核は文字=思想です。それはどのコンテンツを見てもわかります。絵的な衝撃を追いかける動画を除けば、コンスタントに供給されているコンテンツの中心には文字=思想があります。世の中全般に言えることです。人間の能力を端的に示すのは文字=思想です。
じゃあ文学金魚が動画だらけになるのかと言えば、そうはなりません。同じ思想を抱えている作家でも、文字表現と動画表現は必然的に異なるものになります。例えば対談やインタビューなどを動画で公開しても、その作家のファンでない限り見ていられないでしょうね。作家の場合は文字で決定的な何事かを表現しているから動画が活きるわけです。これは今後も変わらないと思います。
文学というものは〝遅れ〟の中にあります。一昔前は、吉本隆明が「おまいら文化の密輸業者ぢゃねーか」と批判したように、海外情報などをいち早く仕入れてそれを元に作品を書く作家が俊英ともてはやされた時代があります。しかしこれだけ情報化社会が進むと文学表現における〝早さ〟の特権はほぼ完全に失われます。むしろ作家は脊髄反射のように諸現象に反応せず、遅れを意識してその本質を表現する必要があります。定家が『紅旗征戎わがことにあらず』と書いたように、それが太古の昔から文学表現の原則です。
しかしこれだけ映像メディアが発達した現代に、古めかしい言い方ですが作家が書斎にこもって昔ながらの文豪ポーズを取っているだけで済むわけがありません。文字と同様に映像メディアはそれを見る人に様々な情報を伝えます。むしろ映像メディアでも露出しなければならなくなれば、作家が〝ホンモノ〟か〝ニセモノ〟か読者にダイレクトに伝わってしまうところがあると思います。その意味で映像メディアはなかなか厳しい。ですが作家もまた、その存在も含めて世界に向けて作品をアピールしてゆく時代になったのは確かだと石川は考えています。
■ 文学金魚ちゃんねる 小原眞紀子『2021年の文学金魚占い』 ■
■ 文学金魚ちゃんねる 寅間心閑×松岡里奈 対談予告動画 ■
■ 【文学金魚新人賞受賞作家 新春対談】寅間心閑×松岡里奈『男の小説と女の小説』縦書版 ■
■ 【文学金魚新人賞受賞作家 新春対談】寅間心閑×松岡里奈『男の小説と女の小説』横書版 ■
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■ 第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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