岡野隆さんの詩誌時評『句誌』『角川俳句 2020年03月~06月号』をアップしましたぁ。ぬ~岡野さん、ちょいとケツまくっちゃったといふか、本音を書き始めましたね。過激と言えば過激なのですが、まー俳句界は自給自足の閉じた村ですから、このくらい書いてもビクともしないでせうな(笑)。
ただま、プロを自称する俳人さんたちは、俳壇という場所がとても特殊で、自分たちが商業句誌などで書き散らしている評論が矛盾だらけだということに気づいてもよござんす。岡野さんが文人俳句で熾烈に批判している通りです。誰でも俳句が書けると公言しておきながら、なぜプロ俳句と文人俳句に垣根を設ける。ムダなプライドです。
句誌に限らないでしょうが、商業詩誌の原稿依頼はせいぜい2、3ヶ月前だと思います。執筆者のほとんどはそっから手当たり次第に資料を読んで、書き飛ばしの原稿を書いているわけです。それではマトモな評論などは書けませんな。当たり前のことです。
俳人に限りませんが、詩人と呼ばれる人たちはそれぞれの壇の中での出世にほとんどの関心を奪われてしまうものらしい。商業詩誌の依頼を断ればお声がかからなくなるのでホイホイ書き飛ばし原稿を書く。それがプロだと思い、その勘違いがどんどん本気になって、しまいにはミイラ取りがミイラになる。
だけんど本物の詩人というか物書きは、腰を据えた仕事をしなければ文学の本質には届かない。また商業文芸誌が一番大事にしているのはなかなか書いてくれない作家です。どんな依頼でもホイホイ書く作家のことは本音では軽視している。だけど作家の側からすれば本格作家になるには勇気がいる。失敗すればジャーナリズムで活躍すらできなくなる。
こういったことは、お腹に手をあててよーく考えてみれば思い当たり節があると思います。もち上を見れば上があり、下を見れば下があるのは事実。だけど作家としてのプライドが本当にあるのなら、やっぱ上を目指すべきではないでしょうか。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『角川俳句』「No.146 白濱一羊「後世に残るべき俳句」」(2020年03月号) ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『角川俳句』「No.147 白濱一羊「令和時代の俳句理論を」」(2020年04月号) ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『角川俳句』「No.148 恩田侑布子「音楽の魔術師/二十世紀の古典-阿波野青畝」」(2020年05月号) ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『角川俳句』「大特集「教養としての〈文人俳句〉」」(2020年06月号) ■
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