小原眞紀子さんの連載エセー『詩人のための投資術』『第二十七回 P2PトレジャーボックスI―詩人のための宝箱』をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ――現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの経済エッセイです。
小原さんは『なんたって詩人ほど投資に向いてない、と少なくとも一般に思われている人種はいないのだから。それは詩人は計算ができないから、というわけではない。むしろ詩人は小説家よりは理数系が多いし、さほど感情的でもない。その世俗に感情が動かない。(中略)しかし、もし世俗、この世に対して本当に関心を失ったら、文学者はつとまらない。この世界がどういう構造になっているのか俯瞰で見て、それを調べ上げることこそ文学者の仕事である。ただそのことと、自分の利害を突き詰めるパッションとがなかなか両立しづらいのである。にもかかわらず、誰もが知っている通り、文学者にもお金は必要なのだ』と書いておられます。
小説ですら商業市場が苦しくなっている時期に、詩人――特に結社がなく、創作者人口つまり愛好者人口も一番少ない自由詩の出版が苦しくなっているのは当たり前です。だけんど石川はチラチラ自由詩の世界を見ていますが、まったくと言っていいほど危機感がない。危機感を持って有効な手立てを打とうとしているのは小原さんくらいですな(笑)。
創作者が自分の作品に自信を持っているのは当然のことです。詩人なら現世的評価だけでなく、長い目で見た作品評価も視野に入っていると思います。そのためにはまずなんらかの形で作品を発表しまとめていかなければなりません。詩人といえどもお金の問題は避けて通れないのでありますぅ。
■ 小原眞紀子連載エセー『詩人のための投資術』『第二十七回 P2PトレジャーボックスI―詩人のための宝箱』 ■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 金魚屋の本 ■