寅間心閑さんの『寅間心閑の肴的音楽評』『No.040 凛々しいお店』をアップしましたぁ。今回は片桐麻美、リトル・リチャード、ジョアン・ジルベルトが酒の肴です。寅間さんは「呑み屋は我々にとっては憩いの場、スイッチをOFFにできる空間でありつつ、店の人間にとっては仕事場、スイッチをONにするスペース。つまり多くの場合我々は、仕事中の人間を眺めながら、または話しながら、時には一杯付き合ってもらいながら呑んでいる」と書いておられます。お客がリラックスできる場だけに、トラブルが多いのも飲み屋の宿命。飲み屋の御主人や女将さんはいざとなると、とっても強い方が多いです。
文学の場合、作品を書くのはもちろん、作品を発表するのがONの場ということになります。発表し衆人環視の目にさらされて、評価を受けるということですね。これは誰だって恐いものです。ただ「ダメ出しの出ない表現はムダ」です。これは石川が考えたのではなく、若者文化を撮影している写真家兼ジャーナリストの言葉です。
NHKの番組で、ライブハウスのような会場で参加者がお金を払い、一人10分とかの割り当てで詩の朗読をするイベントを追っていたのですが、取材した写真家兼ジャーナリストさんが、言いにくそうに「ダメ出しの出ない表現はムダ」という意味のことを言っていたのです。詩の朗読がダメだと言っているわけではないですが、全員平等の和気藹々とした雰囲気で「君の作品よかったよ、作品のもよかった、で、僕の、私の作品もよかったでしょ」とやっているようではなんにも得るものはないですね。
寅間さんは片桐麻美さんの楽曲には「孤立「できる」強さ」があると書いておられます。信頼できる仲間がいるのはいいことですが、群れてなあなあになってはいけない。F1レースで何度も総合優勝したマクラーレン・チームの監督ロン・デニスは、「チームが仲良しで敗北するより、喧嘩しながら勝った方がいい」と言っていました。仲良しに見える音楽バンドでも内部はけっこうな戦いです。個が孤立し自律していないと良い作品は生まれません。もち寅間さんは一人飲み。飲み仲間がいても適度な距離を取っておられるでしょうね。
■ 寅間心閑 『寅間心閑の肴的音楽評』『No.040 凛々しいお店』 ■
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