岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『角川俳句』の4連投です。『No.094 第63回角川俳句賞発表「人のかたち」月野ぽぽな(角川俳句 2017年11月号)』、『No.095 大特集「必ず成功する!取り合わせ」(角川俳句 2017年12月号)』、『No.096 大特集「4週間で身につく「切れ」入門」(角川俳句 2018年01月号)』、『No.097 連載対談「宇多喜代子の「今、会いたい人」」ゲスト阿辻哲次(角川俳句 2018年02月号)』です。
岡野さんは角川俳句について、『いまだにこの雑誌のコンテキストがわからない。もちろん初心者啓蒙雑誌であるのははっきりしている。ほとんどの特集がその線で組まれている。ただ俳人は俳句は習い事ではなく〝文学〟だと主張し、その素晴らしさを書いたり発言したりしている。その誇り高い俳人たちが結社的党派を超えて、基本的にはリベラルに交わるのが商業句誌である。初心者啓蒙は手始めに過ぎないだろう。初心者を啓蒙し俳人として育てて、さて、何をしたいのか。それがわからないというか全然道筋が見えない』と書いておられます。石川も同感です。
角川俳句さんが主に雑誌の経済的要請によって初心者向け特集を組み、投稿を重視されているのは当然だと思います。ただ初心者を啓蒙した先の姿が雑誌から見えて来ない。後は雑誌に広告掲載しているどこかの結社に入会してよろしく、では商業誌の役割としては不十分だと思います。結社的しがらみを超えて、雑誌では優れた俳人を中心に誌面を組み立ててゆくのが理想の姿でしょうね。
また俳人は雑誌の要請、つまりは〝お題〟を与えられて原稿を書くわけですが、角川俳句さんの初心者啓蒙路線を〝忖度し過ぎている〟面があると思います。要は角川俳句さんに睨まれるのが怖いんだな。もちろんそういった権威はどんな雑誌でも必要だと思います。ただA路線以外のB~Zは排除するというのでは権威として尊敬されません。A、J、K、Vと異なる路線の作家をチョイスして掲載し、〝ああなるほど〟と読者を納得させるのが創作者ではない雑誌の権威だと思います。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.094 第63回角川俳句賞発表「人のかたち」月野ぽぽな(角川俳句 2017年11月号)』 ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.095 大特集「必ず成功する!取り合わせ」(角川俳句 2017年12月号)』 ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.096 大特集「4週間で身につく「切れ」入門」(角川俳句 2018年01月号)』 ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.097 連載対談「宇多喜代子の「今、会いたい人」」ゲスト阿辻哲次(角川俳句 2018年02月号)』 ■
■ 第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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