寅間心閑さんの『肴的音楽評』『No.022 肴はタイ』をアップしましたぁ。今回はシオン、スクィーズ、フリッパーズ・ギターを取り上げておられます。タイ料理を肴に飲みですな。んでシオンさんは、自主制作のCDで世に出たんですねぇ。知らなかった。寅間さんはゴールデン・カップスにインタビューした時に、『昔より今の方が様々な音楽を楽しむようになっている』という意味のことを言っておられましたが、その通りだと思います。一定以上の力があれば、バカ売れしなくても好きなことを続けられる時代です。
音楽業界のインディーズって、出版業界のような単純な自費出版とはちょっと違うと思います。何が一番違うかというと、アーチストもプロデュースするスタッフも、市場のニーズを非常に気にしていること。要するに新しい市場ニーズを掘り起こそうという姿勢がある。新たなニーズが掴めたところでメジャーデビューするか、インディーズとメジャーの中間に留まって、可能な限り自由に活動していくかはアーチスト次第。一定の市場の支持、つまり経済的裏付けが得られて初めて自由に活動できると知っているという意味で、音楽アーチストは物書きさんたちよりも大人の面があります。
もちろん何が売れるのか、市場の支持を得られるのかは、アーチストや作家本人には最後のところわからないと思います。誰だって自分の作品には点が甘くなり、客観的な判断を下せないからです。しかし面白い作品を書こうと意志しなければ作品は面白くならない。またエンタメ要素がなくても、特定のファン層をターゲットにして意義のある本を書こうとしなければ、誰が読む作品かわからなくなる場合が多い。
つまり作家は読者の延長上に身を置いていたのではダメなのです。読者を可能な限り客体化して、一段高いところから作品を書かなければ最低限度の自己作品の客体化もできない。小説だけでなく、詩でも評論でもエッセイでもそれは同じことです。詩や評論やエッセイ集は確かに本が売れにくい。だけど時々売れる本はある。それがたまさかの偶然ならあまり意味がありません。狙い澄まして一定以上の部数を売り上げて、初めて継続的な作家活動ができるのです。
■ 寅間心閑 『寅間心閑の肴的音楽評』『No.022 肴はタイ』 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
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