第03回 文学金魚新人賞受賞作 青山YURI子さんの連載小説『ショッキングピンクの時代の痰壷』『No.007 夢の三辺』をアップしましたぁ。今回も多分、実話に近い体験が下敷きになっているのでしょうが、青山YURI子ワールドといった形で物語が展開してゆきます。この方の言語感覚というか処理方法はホントに面白い。
先日の原里実さんとの新人インタビュー(『New Faces/New Generation』)で青山さんは、「人の心がよくわからない、だから外側のフレームをいじっちゃうことが多い」という意味のことを発言しておられました。まったくその通りだと思います。創作者って正直ですね。また「テクニックをほめられることはほとんどなくて、アイディアが面白いと言われることが多い」ともおっしゃっていました。これもその通りだろうなぁ(爆)。ただ創作者にとって、一番の長所は一番の短所でもあります。ほとんどの場合、短所を強く意識することで伸びてゆくことが多いのです。
文学金魚は新たな才能を持つ創作者の登場を心待ちにしていますが、それは二つのタイプに分かれるやもしれません。一つは手垢のついていない新人。文壇的手垢は確実に存在します。中途半端にそれに染まると、新人でも途端につまらない作品を書くようになる。青山さんや原さんは、ある意味純粋無菌室で独力で育った作家でしょうね。だからこれから様々なウイルスがうようよしている文学の世界で、どう身を処していくのかが今後の重要な課題になるやもしれません。
もう一つのタイプはいわゆる〝すれっからし〟の新人作家です。なかなかいないでしょうが、文壇や詩壇のことを知り尽くした上で、あえて新しいことをする、できる力がある作家たちです。ただ文学の世界は、長い時代的スパンで見ても曲がり角にさしかかっています。再デビューだってあり得るわけで、何かを〝見切る〟ことができる作家は、年齢を問わず新しい時代の新しい作家になり得ると思います。
■ 青山YURI子 連載小説『No.007 夢の三辺』 縦書版 ■
■ 青山YURI子 連載小説『No.007 夢の三辺』 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第0回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■