高嶋秋穂 歌誌時評『角川短歌 2022年06月号』、『短歌研究 2021年09~11月号』をアップしましたぁ。相変わらず歌壇は活気がありますね。当面それは続きそうです。
どの文学ジャンルでもそうですが〝一人勝ち〟のような状態になると衰退期です。句誌ではいわゆる有季定型派の作品と俳論(とも言えない俳句指導だなぁ)がズラリと並ぶ。新たな試みもあるにはありますが、ぜんぜん根付きそうにない。自由詩はもっと悲惨に見える。とっくに役割を終えた現代詩のエピゴーネンばかりと言うと「ヒドいよ-」という声が聞こえて来そうですが、お腹に手を当ててよーく考えてみそと言いたくなるところがある。意味的にもイメージ的にもまったく像を結ばない作品を誰が真剣に読んでくれる。難しそうな修辞を使っていますがたいてい中身が空っぽ。それをもう読者に見切られている。だから読まれない。いっぺん簡単な詩を書いてみそ。そしたら中身ってことの意味がちょっとはわかります。
ただ詩の世界全体の問題はたいていの詩人が権威主義的なこと。なんやかんや言って壇の権威に一歩でも近づこうとする傾向があります。途中まではそれでいいんですが、10年20年後を考えるならそれではダメ。歌壇では相変わらずニューウェーブ短歌全盛ですが明らかに書き方が行き詰まり始めている。ポスト・ニューウェーブ短歌(ポスト俵万智・穂村弘)の時代に入っている。このポストの可能性は多様ですが今のニューウェーブほどの一般性は恐らくない。ただ繰り返していれば必ず衰退する。浮かれているうちに危機は近づいています。まあ文学の世界、いつだってその繰り返しです。
■No.101 高嶋秋穂 歌誌時評―坂井修一「連載 かなしみの歌人たち 第三十回 渡辺順三のプロレタリア短歌」(角川短歌 2022年06月号)■
■No.009 高嶋秋穂 歌誌時評 「第六十四回短歌研究新人賞発表」(短歌研究 2021年09月号)■
■No.010 高嶋秋穂 歌誌時評 「第三十九回現代短歌評論賞発表」(短歌研究 2021年10月号)■
■No.011 高嶋秋穂 歌誌時評 座談会「現代短歌史と私たち」(短歌研究 2021年11月号)■
■No.012 高嶋秋穂 歌誌時評 二〇二一年展望座談会「短歌、再始動へ向けて」(短歌研究 2021年12月号)■
■No.013 高嶋秋穂 歌誌時評 新年号(短歌研究 2022年01月号)■
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