小原眞紀子連載小説『幕間は波のごとく』第26回をアップしましたぁ。んんっ、また謎が深まりました。マジサスペンスだな。この小説、どんな落とし所になるんでせう。ちょっと予想できません。
今回の『幕間』は姉妹が主人公で、血縁の女性の関係性が物語の基盤になっています。そういう意味ではちょっと谷崎潤一郎の『細雪』を彷彿とさせます。谷崎さん、小原さんが大好きな小説家でもあります。『文学とセクシュアリティ』で谷崎の『痴人の愛』について詳細に論じておられます。小原さん創案のテキスト曲線、つまり男性的エクリチュールと女性的エクリチュール論の中核を為すパートでもあります。
小説家はしばしば小説論を書きますが、小原さんの場合は『文学とセクシュアリティ』がそれに当たると思います。また作家の小説論は実践的であるのが大きな特徴です。読んで創作に役に立たないことは書いてありません。
単純なようですが、これは評論の復権のために必要不可欠だと石川は考えています。今文芸誌などに発表されている小説評論は、批評家が創作者になったかのようないわゆる〝創作批評〟が多い。作品が批評されていたとしても、当の作家が「なんのこっちゃ」という内容が多いんですね。対象があってそれを批評する限りまず対象の本質を解明していなければなりません。批評家の創作性はその後にほんの少し表現するだけでいい。でないと文芸批評になりません。
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