鶴山裕司さんの連載エッセイ『言葉と骨董』『謎本の吉岡実詩集『液体』』(第70回)をアップしましたぁ。今年の1月14日にお亡くなりになった秋田の前衛俳人・安井浩司さんからもらった私家本(謎本)の吉岡実詩集『液体』を取り上げておられます。『言葉と骨董』の連載エッセイの一つですが、久しぶりの鶴山さんの詩論だと言っていいかと思います。
ま、なんていうんでしょう、詩論になると鶴山さんの生地が出ますねぇ。んーこの方、けっこう大変(笑)。しかし評論としては筋が通っています。『僕が吉岡から学んだ最高の教えは、どうしようもなく社会が変容した時には詩もまた変わらなければならないということである。岩成達也はそれを「詩的関係の意義は、言葉を介して新しい世界把握を(私達に)可能ならしめる点に求められる」「一つの新しい世界把握には、一つの新しい書法が対応する」と書いた。変容した社会に対応した新たな詩法を生み出さなければならないのは今も同じだ。自由詩は前衛でなければならない。過去の現代詩などにこだわっている場合ではない』と書いておられます。
石川が岡目八目で見ていても自由詩の世界で現代詩はとっくの昔にその役割を終えています。今書かれている詩だから現代詩だというのは詭弁ですね。現代詩は鶴山さんが書いておられるように入沢康夫、岩成達也さんらの詩を頂点として、1960年代から80年代に一世風靡した一つの書き方(詩法)のことです。ただ現代詩にしがらみや利権がない詩人でないと現代詩のNextを探ることはできないでしょうね。孤立無援のようですが鶴山さん、ガンバレ(笑)。
■ 鶴山裕司 連載エッセイ『言葉と骨董』『謎本の吉岡実詩集『液体』』(第70回) ■
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