金魚屋から『夏目漱石論―現代文学の創出(日本近代文学の言語像Ⅱ)』を好評発売中の、鶴山裕司さんの『美術展時評』『No.116 聖林寺十一面観音展』をアップしましたぁ。東博で開催中の展覧会です。美術館が再開したと思ったら、今日また東京に緊急事態宣言が出されましたね。まーた美術館は閉まってしまうんでしょうか。予告とかが出ている美術展はどーなってしまうんでしょ。
東博の展覧会は充実しています。『聖林寺十一面観音展』は小規模だったのでそうでもないですが、辞書みたいに図録が厚い場合もあります。鶴山さんは寝る前に図録を読み飛ばすと書いておられましたが、すげーな(笑)。石川は図録を買っても絵本として楽しんでおります(笑)。
東博の図録が厚くて解説が充実しているのは、やっぱ日本のフラグシップ美術館だからでしょうね。東博展覧会の図録に書いただけで学芸員の方の大きな実績になるんだと思います。また私設美術館や地方美術館のように、思い切った切り口にできないのは、やっぱ東博がお役所の一部だからだろうなー。もちろん私設美術館等での展覧会がその後の美術界での指標になることはありますが、中心になるのは東博展覧会とその図録解説でしょうね。
ただ東博図録解説は時にこりゃ大学紀要ぢゃないかってくらい専門的です。美術展の紹介文などは要点を伝えればいいわけですが、その按配は意外と難しいと思います。軽くし過ぎてもいけないし、重くなると誰も読まない。また図録解説のレジュメであってもいけないわけで、書き手独自の切り口が必要になります。鶴山さんの美術批評には独自の視点があります。まず何より楽しみで美術展を見に行っておられるようなので、また美術館が閉まらないといいですね。
■ 鶴山裕司『美術展時評』『No.116 聖林寺十一面観音展』 ■
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