岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『月刊俳句界』の2連投です。岡野さんの俳句批評は、じょじょにですが鋭く確信的になってゆきますな。俳句の世界は異常なのであります。
去年から「忖度」という言葉が流行りましたが、俳句界は忖度だらけです。俳壇というわけのわからない場所で、どの俳人も少しでも損をしないように立ち回っている。本音を漏らすのは仲間内の句会の二次会(飲み会)くらいでしょうか。くっだらないことやってるなぁと思っていても、それをグッと胸にしまい込んでしまいます。表立って書いたりすると、俳壇冷や飯食いになるからですね。
そのような不平不満に満ち満ちていても、結局は俳人が肩寄せ合って仲良く暮らしている俳壇という場所はとってもぬるい。句集を出せばほめて欲しい、賞が欲しい、でも俳壇は気に入らないでは通らないですね。そうすると、もし自分が俳壇の真ん中か上の方で俳壇的権力を握ったりすると、前任者がやっていた通りに既得権を守ろうとする。俳壇はその連続であり、これはほとんど永遠に続くでしょうな。
ただ外の世界から見て、俳壇は異常だと指摘される必要はあると思います。俳壇内の声はほぼ俳壇外には聞こえない。響かない。岡野さんは、伝統俳句と前衛俳句という対立以前に、俳句は文学なのかお遊び芸なのかをはっきりさせなければならないと書いておられますが、石川も賛成です。実態はお遊び芸。それは今後も永遠に続く。だとすれば、お遊び芸の中からたまに文学が生まれるということになる。そういう根本的なことを考えなければ、俳壇はほんの少しであっても変わったりしないと思います。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.128 大輪靖宏「芭蕉俳句と不易流行」」(月刊俳句界 2019年05月号)』■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.129特集「俳句の魅力」(月刊俳句界 2019年06月号)』■
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