遠藤徹さんの連載小説『物語健康法(入門編)』(第02回)をアップしましたぁ。小説内書物『物語健康法 入門編』で〝物語健康法とは何か〟について概要が説明されています。
心身の力みを取り、心の安定をもたらし、自分という存在を開いていく。心や体にこわばりがあると、それは一種の障壁になります。それは変化を恐れる状態であり、自分に閉じこもる状態です。そうではなく、どこまでもリラックスして、受容的になること。自分に訪れる変化を歓待する状態になることで、わたしたちは徐々に物語体質へと変容を遂げることができるのです(これホント、ウソじゃない。たぶん)
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あなたがあなたを受け入れたとき、あなたは開かれます。あなたは受け入れる力をもつことができるようになる。それは単なる受け身ということではありません。とてもポジティブな前向きな受容性なのです。そうやって受け入れたものは、あなたというフィルターを通して変形し、そして物語となるのです。
(遠藤徹『物語健康法(入門編)』)
遠藤さんの『物語健康法』は小説の書き方を教える教養小説ではありません。文字通り物語を作り、語ることで健康になれると説く主人公の物語です。しかし小説家が書く『物語健康法』です。そこには当然小説の書き方のヒントも含まれています。
『受容的になること。自分に訪れる変化を歓待する状態になること』というのは自己を客体化するということです。可能な限り他人のように自己を突き放す。嫌なところがたくさん目につくはずです。ちょっとだけいいところもある。それを熱もなく受け入れるわけですね。するとどうなるのか。
『あなたがあなたを受け入れたとき、あなたは開かれます。(中略)単なる受け身ということではありません。とてもポジティブな前向きな受容性なのです。そうやって受け入れたものは、あなたというフィルターを通して変形し、そして物語となるのです』がその答えですね。
小説は自己と他者(世界)を客体化しなければ書けません。どちらが先ということはないのです。自己を客体化しながら世界を客体化し、その逆も行います。人ごとのように自己と世界を見ることができれば小説という物語は湧き出るように書けるでしょうね。私の出来事や心理を他者のもののようにして書き、世界のそれを自己のものにして書けるようになる。プライベートを書いていると思われている私小説でも同じです。〝私〟を客体化していなければ私小説は書けないのです。
■ 遠藤徹 連載小説『物語健康法(入門編)』(第02回)縦書版 ■
■ 遠藤徹 連載小説『物語健康法(入門編)』(第02回)横書版 ■
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