小原眞紀子さんの『金魚エセー』『No.009 ガラスの靴』をアップしましたぁ。お母様の指輪の修理から、修理を依頼した「はせがわガラス」制作のガラスの靴にお話が移ってゆきます。『ガラスの靴は、テレビやイベントでのニーズのほか、プロポーズのアイテムとして大人気らしい。ガラスの靴を捧げてプロポーズすると、女の子は泣いちゃうんだって。うん、それは思いつかなかった』と書いておられます(笑)。
ガラスの靴は言うまでもなくシンデレラ物語に出てきます。古い民間伝承物語のようですが、グリム兄弟が広く紹介したことで有名になりました。もちろんファージョンもシンデレラ物語を元に、その名も『ガラスの靴』を書いています。ディズニーが何度も映画化していると思いますが、女の子が主人公の物語って、特に近代あたりは少ないんですね。アリスやシンデレラが超有名になった理由でもあります。
ガラスはヨーロッパ特産品という面があります。ヨーロッパはガラスと金属器、アジアは焼物ですねぇ。ガラスは古代エジプト時代からあり、日本の古墳時代の遺跡などからもガラスの珠などが出土します。でも一般にはぜんぜん普及しなかった。江戸末になって細々とガラス製品が作られ始めますが、普及したのは明治以降です。
グリム兄妹は19世紀の人ですから、ガラスは珍しくなく、ガラス製の靴は、実際には履けないにせよ、高価な工芸品というイメージだったでしょうね。でもシンデレラ物語って、最初からガラスの靴だったのかな。民間伝承の原型は違うでしょうね。だけどガラスの靴があんまりピタッと物語にはまったから、それが定着したんでしょうね。ファージョンもそうですが、物語って本歌取りしてその魅力が増してゆくことがままあります。
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