岡野隆さんの詩誌時評『No.021 月刊俳句界 2014年11月号』をアップしましたぁ。特集「あなたの俳句はなぜ佳作どまりなのか?」を取り上げておられます。ただ岡野さん、若干イラッとしておられるやうな。「名作を詠むための秘儀が明かされているのかと期待したが、もちろんそうではなかった。・・・要は俳句商業メディアや結社誌に投句して、投句欄で特選(一番高い評価)を得るためのコツの特集である。俳句の世界は実態として素人文芸倶楽部である。こじんまりした文芸サークルの寄せ集めで、百年くらいの間にほんの数人、奇跡のように文学の名に値する作家が生まれるジャンルである」と書いておられます。
まー岡野さんのイラッチ、理解でけんことはなひですなぁ。何に対して面白みを感じるのかは人それぞれですが、文芸誌である以上はどっかで〝知的な刺激〟といったものがあらまほしいわけです。しっかし詩誌ではなかなかそういふ特集や文章にお目にかかれないなぁ。特に俳句誌はそうです。天下泰平で飽きもせず同じことを繰り返している。朱に交われば赤くなると申しますが、なんやかんや理由を付けて低レベルの議論でお茶を濁しております。要するに面白くなひ。雑誌も単行本も俳句初心者向けのノウハウ集のオンパレードでごぢゃる。
岡野さんは「俳壇の大勢は裏表がある。対外的には〝俳句文学〟を振りかざしながら、対内的には〝文芸サークル〟として機能している。・・・しかし今はノウハウの時代であり、情報化時代である。まずものすごく簡単な事柄から整理し、情報公開した方が俳句界は活性化するのではないかと思う。俳句には〝文学としての座〟と遊びと習い事の〝文芸としての座〟という二重構造があることを真正面から認めた上で、〝文学としての座〟に少しだけバランスをシフトすれば現在のようなていたらくから少しは脱却できるだろう」と書いておられます。
でもまー俳壇の大勢はそう簡単には変わらないだろうなぁ。不肖・石川、俳句結社の主宰者に何人もお会いしたことがありますが、〝非常識なほど〟ぢゃなくて、〝まぢ完全に非常識のレベル〟で勘違いしている方の含有率が呆れるほど多い。ほとんど病だなと感じることもしばしばです。でもそれが一般社会とかけ離れた俳壇のじょーしきなんだよなぁ。若手の俳人さんたちにとっての出世とか目標が勘違い俳人になって威張ることにあるのなら、俳句界は永久に変化しないでせうな。
■ 岡野隆 詩誌時評 『No.021 月刊俳句界 2014年11月号』 ■