紫雲 連載小説『クローンスクール』(第16回)をアップしましたぁ。『クローンスクール』もいよいよ大団円です。抑えたタッチでハードボイルド調に進んで来た物語ですが、抑制はそのままに風穴が開きます。架空の近未来を舞台にした小説ですが現実の厳しさをまざまざと実感させられます。
正反対の思想や価値観を持った人間が、ある瞬間にわかり合う、わかり合ってしまうということはしばしば起こります。制度の中に雁字搦めにされている人間同志の場合が多いですね。制度は常に個々の人間の上位にある。小説は制度を逃れる人間をヒーローやヒロインとして描くのを好みますが紫雲さんの好みは逆ですね。
現実社会の厳しさは制度の厳しさでもあります。それは容易に壊せない。わずかな隙間があるだけ。その隙間は制度に縛られ制度を知り尽くした人間にしかわからない。カフカ的な世界観でもあります。
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