ラモーナ・ツァラヌ短編小説『五つの顔の彼女』(後編)をアップしましたぁ。ラモーナさんは4カ国語ができるのかな、5カ国語だっけな。能楽研究者ですから古文にも強いはず。そういった言語使いの側面が今回の小説には出ているのかもしれません。
ただラモーナさんの小説には〝魔〟的な存在がよく登場します。ご本人は品行方正かもしれませんが、この世というか世界には魔物的なものが存在するという認識があるようです。魔物的なものを肯定しているわけではないにせよ、それがなければ世界はバランスを崩すんでしょうね。
言うまでもなくそのバックグラウンドは正教でしょうけど、ラテン的なカトリックとはだいぶ違う。西側寄りでもエックハルトや十字架のヨハネに近いかな。またそれは日本文化では珍しく海ではなく陸、森や峠で出来事が起こる能楽とどこかで繋がっているように思います。
イスラーム学の権威、井筒俊彦はユーラシア大陸全体に拡がる無の共通文化という途方もない哲学を打ち立てましたが、それはヨーロッパ側からでも可能だと思います。でもラテン世界の人がそれをやるのは難しいかも。ドイツから東の文化のような気がします。
■ラモーナ・ツァラヌ短編小説『五つの顔の彼女』(後編)縦書版■
■ラモーナ・ツァラヌ短編小説『五つの顔の彼女』(後編)横書版■
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