寅間心閑 連載小説『オトコは遅々として』(第26回)をアップしましたぁ。子どもはどんどん育ってゆきます。主人公の娘ももう三歳です。もう幼稚園の年ですね。かわいい盛りの年ですが、それは子どもが両親や祖父母しか知らないからでもあります。世界が自分中心に閉じている。ただ幼稚園、小学校中学高校と世界が広がってゆくと、繭のような家は相対化される。まあこういったことは石川が説明するまでもないですね(笑)。
対する大人は、年を取るとどんどん世界が閉じてゆく傾向があります。もちろん子どもとは質が違って、謎がどんどんなくなるから世界が狭くなってゆくと言ってもいいでしょうね。もち年を取っても外向的で新しい出会いや刺激を求める人もいますが、子ども時代のように無邪気ではない。精神的なものであれ実利的なものであれ、そこにはなんらかの目的がある。そういった目的がなければ、大人の世界は狭く、ただしのっぴきならない関係性になりがちです。
『オトコは遅々として』の世界もそうですね。過去の女がのしかかってくる。亡き子どもの亡霊からも逃れられません。子育て小説は親育て小説でもあります。
■寅間心閑 連載小説『オトコは遅々として』(第26回) 縦書版■
■寅間心閑 連載小説『オトコは遅々として』(第26回) 横書版■
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