遠藤徹連載マンガ『キノコの森』『えくすぽえめんたる』&連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』をアップしましたぁ。金魚屋から『幸福のゾンビ ゾンビ短編集』を刊行しておられる遠藤さんの四コママンガと小説です。マルチな才能をお持ちの作家さんです。なんせマンガ、音楽、小説、文明批評まで手がけられるんですから。
石川が『幸福のゾンビ』で一番好きなのは「スタリオン」という作品です。単行本の最後に置かれています。この作品、ホントに遠藤さんらしい。遠藤さん、ユーモアたっぷりで楽しく読める作品が多いのですが、本当に冷たいところがある。その冷たさは残酷とか無関心とかとはまったく違います。人間が本質的に持っている冷たさが、非常に逆説的な形で表現されるんですね。石川が遠藤さんは本質的に純文学作家だと考える理由です。
世の中には理性や論理で整理して乗り越えようとしても乗り越えられない現実があります。そういう残酷な現実は抽象レベルでは起きない。実感もきません。人間同士の関係でしか起こらないんですね。それを遠藤さんは男女や親子関係で表現なさる。鮮やかにそれが表現される時、ゾッとするような読後感が生じます。小説でしか表現できない人間世界の現実です。
■遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第17回)縦書版■
■遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第17回)横書版■
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