ラモーナ・ツァラヌ短編小説『心像』(後編)をアップしましたぁ。ルーマニア人能楽研究者で演劇批評家でもあるラモーナさんの心理小説後編です。小説は意外と保守的な表現です。もちろん前衛小説は存在し傑作と呼ばれる作品もありますが、石川、正直言って『フィネガン』を繰り返し読む人はそーとーなヒマ人だと思います(笑)。
書きたいテーマがありそれが複数の作品でなければ表現できない場合、量産が必要になります。その場合、小説の書き方はある程度決まってくる。突飛な、いわゆる飛び道具を使って書くやり方はたいていの場合続かない。芥川賞などの純文学でもいわゆる前衛小説が評価されることがありますが、今読まれてますか? 前衛は諸刃の剣。いっとき新鮮でもその文学作品の寿命は圧倒的に短いことが多い。
オーソドックスな書き方とは、典型的には大衆文学の書き方です。これが絶対的に小説の書き方の基本です。では純文学と大衆文学をそこはかとなく隔てる基準は何か? 作家が抱えているテーマの深刻さ切実さです。面白いから大衆文学、しかつめらしく深刻そうな書き方をしているから純文学という区分は本当にバカらしい。ラモーナさんはもちろん切実なテーマを抱えた作家です。
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