鶴山裕司さんの連載エッセイ『言葉と骨董』『三浦乾也作『色絵桜楓文鉢』』(第73回)をアップしましたぁ。三浦乾也は文政四年(一八二一年)生まれ、明治二十二年(一八八九年)没の幕末明治を生きた方です。
鶴山さんは今回、尾形乾山名跡継承というラインに沿って書いておられます。じゃ、いわゆる家元芸とは何か。『日本では能や茶道、華道、香道などの伝統が家元芸として継承されている。ただ観念的に捉えれば、日本では新たな表現は古い文化伝統から生まれるという考え方が一般的だったからだろう。だから文化の初源(文化の確立者)を定めそれを代々継承する。もちろん伝統が新たな創造の源になっているのは欧米も同じだ。しかし欧米では伝統よりも新奇な面に注目しそれを個人の才能に帰すことが多い。天才神話である』ということですね。
三浦乾也が乾山六世だったかどうかは議論があるようですが、乾山流陶器を継承しながら独自の陶器を作った人であるのは間違いありません。また乾也は長崎に1年留学して造船技術を学び、仙台藩に招かれて実際に軍艦を造ってしまった人です。維新後には碍子(電線を敷設するのに不可欠な絶縁体でインスレッドとも呼ばれます)を焼きました。時代の先駆者です。大衆小説作家なら飛びつきそうなお方であります(笑)。
■ 鶴山裕司 連載エッセイ『言葉と骨董』『三浦乾也作『色絵桜楓文鉢』』(第73回) ■
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