『金魚屋フロントインタビュー再開予告 名古屋大学名誉教授 上田実先生』をアップしましたぁ。コロナ禍で長いこと中断していましたが、ぼちぼち金魚屋フロントインタビューを再開したいと思います。
文芸誌にも定型がありまして、カラーグラビア、インタビュー・対談・討議、作品、エッセイ・書評を並べるのが一般的です。でもそれほどこだわる必要はないわけで、金魚屋では文学者に限らず優れた研究者・表現者のインタビューを掲載していきます。
上田実先生は名古屋大学名誉教授で再生医療の研究者です。皆さんiPS細胞(人工多機能幹細胞)に関するニュースをご覧になったことがあると思います。京都大学の山中伸弥先生がその製作技術を確立してノーベル賞を受賞なさいました。
人間の身体は幹細胞から作り出されますが、幹細胞には多機能幹細胞と組織幹細胞の2種類があります。多機能幹細胞が組織幹細胞を作り出し、組織幹細胞は血液や神経など、特定の臓器の細胞を作って複製し続けます。つまり多機能幹細胞が人間の身体(細胞)を作り出す大元です。そのため多機能幹細胞は万能細胞とも呼ばれます。この多機能幹細胞を人工的に作り出すことに成功したのが山中先生のiPS細胞(人工多機能幹細胞)です。
iPS細胞は理論的には人間の臓器をも作り出すことができる夢のような細胞です。ただまだまだその実現には時間がかかります。莫大な費用もかかります。上田実先生は人工的に多機能幹細胞を作る時にできる培養上清を活用して、様々な人間の疾病を治療・改善するための研究を行っておられます。
人間の身体の中の幹細胞は年を取るにつれて減少していきます。赤ん坊は盛んに細胞を作り出しているから成長するわけですが年を取ると成長は止まる。老化ですね。でも人間の身体の中の幹細胞がなくなってしまうわけではありません。
図式的に言うとiPS細胞研究は癌や心臓病などで機能を失ってしまった人間の臓器(細胞)を人工的に補充することを目的にしています。これに対して上田先生の培養上清は、人間の体内に残っている幹細胞の働きを活性化させる研究であり治療法です。上田先生のインタビューは来月8月3日から掲載します。
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