岡野隆さんの詩誌時評『句誌』『月刊俳句界 2021年04、05、06月月号』をアップしましたぁ。金魚屋プレスでは現在『安井浩司読本』と安井さんの新句集の刊行を準備しています。安井さんと親しかった鶴山裕司さんに働いてもらっているのですが、これがなかなか大変です。特に『読本』は難物です。500ページくらいの本になる予定です。
俳句はとっても面白い文学ジャンルなのですが、商業句誌はどうしても俳句初心者をターゲットにせざるを得ないところがあります。それだけたくさん俳句を詠んでみようかという人たちが俳句業界に参入しているということです。勢い俳句を詠むにはどうしたらいいのか、季語とはなにか、切れ字とはといった特集が中心になります。難しい議論をしても雑誌が売れないのだからこれはしょーがない。
ただそれでは面白くないわけで、初心者にターゲットを設定しない俳句メディアというかパブリックな場があってもいいと思います。文学金魚はいつだってそんな場を提供しますが、商業誌と同様に気をつけなければならないことがあります。ジャーゴンはダメということです。ムダに思えても最初から説明して、初心者にも難しい議論をしていることがわからなければなりません。少なくともこれは難しい議論だなと納得させないと今までの前衛句誌の繰り返しになってしまいます。つまり一般読者を読者層として想定するのですね。
これは意外と難しいです。ジャーゴンを使ってわかったようなわからないような文章を書くよりも、読みやすい文章を書く方が遙かに難しい。だけどこれもまた修練次第。。「俺は、わたしは本気出してないだけだ」と思っているのではダメなので、文学金魚で100本くらい時評を書けばその人の文章は自ずとこなれてきます。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『月刊俳句界』吉岡乱水句集『白玉』(2021年04月号) ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『月刊俳句界』特集「俳句と短歌」(2021年05月号) ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『月刊俳句界』特集「関西俳句を辿る」(2021年06月号) ■
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